研究概要 |
■ 研究概要
第二言語における音声の知覚・産出に関心があり、現在は日本語学習者を対象に母音長対立(短母音vs.長母音、角vs.華道)の知覚の研究を行っています。
学習者の母語は第二言語の音韻対立の知覚に影響し(Pallier et al., 1997)、母語話者と学習者とでは知覚の手がかりが異なる(Lippus et al., 2009)との指摘があります。しかし、母語がどのように第二言語の知覚に影響するか、学習者が母語の音韻対立の知覚に使う手がかりと第二言語の音韻対立の知覚に使う手がかりがどのように関連するかは未解明です。これは、これまでの研究の多くが、ある音韻対立を持つ言語の母語話者とそれを持たない1つの言語を母語とする学習者を対象に、母語話者が主な手がかりとする音響情報を学習者がどのように使うかを分析するにとどまっていることに一因があると考えられます。
日本語は母音長対立とアクセント型対立(雨vs.飴)を持ち、主な手がかりはそれぞれ母音の持続時間(藤崎・杉藤, 1977)とピッチ(Beckman, 1986)です。知覚における母音の持続時間やピッチの役割は、日本語に見られる様な語の弁別等の極めて言語的なものから、感情等の非言語的なものまで様々で、学習者は母語とは異なる役割を持つこれらの音響情報を適切に使えるようになる必要があります。本研究は、日本語学習者対象の母音長対立の知覚実験から、母語において用いる手がかりと日本語の母音長対立の知覚に用いる手がかりとの関係を明らかにし、母語での音響情報の役割と第二言語で知覚の手がかりとする音響情報の選択との関係の一般化を試みています。
第二言語の音声知覚・産出の研究には、言語教育的な意義があります。学習者が第二言語の知覚・産出で行っていることが明らかになれば、音声教育に重要な示唆を与えられるからです。
また、日本語を目標言語とすることで、これまで第二言語の音声知覚・産出研究の中心である英語の知覚・産出について言われていることが、英語以外の言語へも応用可能かどうかを検証できるとも考えています。 |
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業績 |
■ 学会発表
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■ 著書・論文歴
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経歴 |
■ 学歴
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■ 職歴
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■ 所属学会
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その他 |
■ 研究課題・受託研究・科研費
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■ 講師・講演
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■ 現在の専門分野
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