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     CROSS, Kyoko
  クロス 京子
   所属   京都産業大学  国際関係学部 国際関係学科
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
◆研究課題
移行期正義(transitional justice)から変革的正義(transformative justice)へ
―市民社会の役割とは

◆研究概要
ウクライナ戦争の勃発により、侵略や戦争そのものに反対する市民運動が各地で起こったが、他方で政府に対する異議申し立てをする市民運動も世界各地で活発化している。デモを引き起こす直接的な原因は様々であるが、過去の人権侵害、社会的・経済的権利侵害が適切に清算されず、人々が現政権に対して様々な不満を抱いていることに一定の共通点がある。本研究では、各地で繰り広げられる政府に対する抗議としての社会運動に着目し、近年注目される概念である「変革的正義」の理論を用いて、いかに社会運動が形成され、各地に拡散していくのかを解明する。
令和5年度は昨年度の研究に引き続き、以下の①を行いながら③としてフィリピンの事例を検討する。マルコス・Jrの大統領就任をうけ、様々な形で現政権や有力議員に対して抗議活動が起こった。今年度は抗議活動に携わる団体・個人へのインタビューを行い、市民社会の活動によって被害者やそのコミュニティの暮らし向きなどに変化があるのかどうかを明らかにしたい。

具体的研究内容の計画は以下の通りである。
①社会運動(抗議運動)の形成・拡散のメカニズム解明のために、文献調査を行う。
②移行期正義研究の社会正義に焦点化した研究を洗い出し、本研究の独自性を検討する。
③ケーススタディの対象地域を選定する。
業績
■ 学会発表
1. 2019/12/08 移行期正義概念・制度発達における NGO の役割―人間の安全保障視座からの批判的考察(国際安全保障学会2019年度年次大会)
2. 2019/11/25 Creating hybridity in peacebilding: A case of Timor-Leste's community policing(A Conference to Commemorate the 10th Anniversary of the Founding of the National Centre for Peace and Conflict Studies: Peace in Aotearoa New Zealand: Past, present, future)
3. 2019/11/17 フィリピンの超法規的殺人は許容されるのか―民主主義後退期の国際社会の対応(国際開発学会&人間の安全保障学会 2019共催大会)
4. 2019/09/13 “Hybridity in Community Policing in Timor-Leste."(Reconstructing the Architecture of International Peacebuilding)
5. 2019/06/23 「過去との決別なきフィリピン-二つのアキノ政権における移行期正義の挫折」(日本平和学会2019年度春季研究大会)
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■ 著書・論文歴
1. 2023/11 論文  Human Security in Southeast Asia: Challenges in the Era of ASEAN Integration Journal of Human Security Studies 12(2) (単著) 
2. 2022/03 著書  「アジアの紛争と平和への取り組み」佐藤史郎・石坂晋哉編『現代アジアをつかむー社会・経済・政治・文化 35のイシュー』   (共著) 
3. 2021/11 その他  『よくわかる国際政治』   (共著) 
4. 2021/05 論文  “The Pursuit of Justice, Truth, and Peace: Reflections on 20 Years of Imperfect Transitional Justice in Timor-Leste.” Asian Journal of Peacebuilding 9(1),pp.139-161 (単著) 
5. 2020/06 その他  書評 「足立研幾編著『セキュリティ・ガヴァナンス論の脱西欧化と再構築』」 立命館アジア・日本研究学術年報 (第1),156-159頁 (単著) Link
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経歴
■ 学歴
1. 大阪大学 国際公共政策研究科 修士課程修了 修士(国際公共政策学)
2. 神戸大学 法学研究科 博士課程単位取得満期退学 博士(政治学)
■ 職歴
1. 2019/04~2022/03 京都産業大学 国際関係学部 国際関係学科 准教授
2. 2016/04~2019/03 立命館大学 国際関係学部 助教授・准教授
3. 2014/04~2016/03 立命館大学 立命館グローバル・イノベーション研究機構 研究員
■ 所属学会
1. 人間の安全保障学会
2. 2018/04~2024/03 ∟ 事務局長
3. 2024/04~ ∟ 事務局次長
4. 国際安全保障学会
5. 2018/04~2020/12 ∟ 書評委員
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その他
■ 社会における活動
1. ひろしまジュニア国際フォーラム
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2021/04~  集合的なニーズ・権利に関わるグローバルな正義の比較社会学的研究 基盤B 
2. 2019/04~  「アジアにおける分離独立をめぐるサブナショナル紛争と移行期正義」 基盤研究C 
3. 2015~2019  「移行期正義の概念的・制度的拡大―アチェとミンダナオにみる社会的・経済的正義とは」 基盤研究C 
4. 2011~2013  「移行期正義の発展とトランスナショナル・アドボカシー・ネットワークの役割―正義、真実、和解をめぐるたたかい」 競争的資金等の外部資金による研究 
5. 2009~2010  「移行期正義におけるローカルな規範・制度―東ティモールのコミュニ和解プ  ロセス(CRP)の事例から」 競争的資金等の外部資金による研究 
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■ 講師・講演
1. 2023/08/23 Transitional Justice from Global Perspective
2. 2023/02/28 誰が正当な「被害者」かー補償をめぐる分断と政治化
3. 2022/05/28 フィリピン麻薬戦争に隠れた人権侵害-なぜ『左派』は超法規的に暗殺されるのか
4. 2016/11/09 紛争後社会における正義と和解追求の試み─東ティ モールのハイブリッドな移行期正義メカニズム(南山大学)
5. 2016/08/27 紛争後の正義と和解をめぐる相克─痛ましい過去を 乗り越える多様な試み(立命館大学)
■ 受賞学術賞
1. 2009/01 第11回秋野豊賞