研究キーワード:生態進化発生学 分子発生生物学 遺伝学 環境応答学
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    (最終更新日:1000-01-01 00:00:00)
  キムラ セイスケ   KIMURA SEISUKE
  木村 成介
   所属   京都産業大学  生命科学部 産業生命科学科
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
◆研究課題
・植物の生態進化発生学的研究
・科学教育と科学技術コミュニケーションについての研究


◆研究概要
 生物の形の多様性が生じる仕組みを、「発生」「進化」「環境」の3つの観点から理解しようとするのが生態進化発生学である。本研究室では、植物の形の多様性に興味を持ち、生態進化発生学を核とした研究を進めている。具体的には以下の3点の研究を実施する。

(1) 葉の形態の表現型可塑性の研究
 北米に分布する水陸両生植物植物のRorippa aquaticaは、生育環境に応答して葉の形態を変化させ、水没すると葉身が針状のギザギザの葉を発生する。この形態変化は、水の抵抗を軽減したり、効率良く光合成を行なうために役立っていると考えられ、発生と環境の相互作用を理解するためのモデルとなる。そこで私達は、R. aquaticaの表現型可塑性の研究を進める。

(2) 葉の形態の多様性の進化発生学的研究
 植物の葉の形は多様性に富み、植物の形を特徴づけている。本研究では、葉の形態の多様性が進化の過程でどのように生み出されてきたのかを、発生メカニズムの違いに着目することで明らかにする。特に野菜などの特徴のある形態に注目し、発生学的および遺伝学的な解析を進める。
(3) 植物の栄養繁殖機構の研究
 R. aquaticaは、水分状況さえ適切であれば、葉の断面に複数の不定芽を形成して再生する。栄養繁殖の分子メカニズムについては不明な点が多く、特に葉の断面からの再生についてはほとんど研究がされてこなかった。そこで、この植物をモデルにして、栄養繁殖機構を明らかにするための研究を進める。

 また、科学教育と科学技術コミュニケーションについての実践や研究を実施する。
業績
■ 学会発表
1. 2024/09/14 Submergence-Induced Epidermal Cell Chloroplasts Differentiation in Rorippa aquatica(日本植物学会第88回大会)
2. 2024/09/14 ショウジョウバカマの葉上不定芽形成機構の解明(日本植物学会第88回大会)
3. 2024/09/14 ジャスモン酸とサリチル酸の蓄積を誘導する抵抗性誘導剤候補化合物の作用機序と効果の解析(日本植物学会第88回大会)
4. 2024/09/14 ビャクシンが示す異形葉性のメカニズムの解明(日本植物学会第88回大会)
5. 2024/09/14 水陸両生植物Rorippa aquaticaの水没時のガス交換を可能とするクチクラ層の透過性制御メカニズム(日本植物学会第88回大会)
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■ 著書・論文歴
1. 2024/08 論文  アブラナ科水陸両生植物Rorippa aquaticaのゲノム解読と比較解析 植物科学最前線 (BSJ-Review) 15,81-86頁 (共著) Link
2. 2024/07 論文  Diving into the Water: Amphibious Plants as a Model for Investigating Plant Adaptations to Aquatic Environments Annual Review of Plant Biology 75(27),pp.579-604 (共著) Link
3. 2024/07 論文  Exploring the diversity of galls on Artemisia indica induced by Rhopalomyia species through morphological and transcriptome analyses Plant Direct 8(e619),pp.1-14 (共著) Link
4. 2024/04 論文  A chromosome-level genome assembly for the amphibious plant Rorippa aquatica reveals its allotetraploid origin and mechanisms of heterophylly upon submergence Communications Biology 7,pp.341-1-341-14 (共著) Link
5. 2024/02 論文  Synergistic polyploidization and long-distance dispersal enable the global diversification of yellowcress herbs Global Ecology and Biogeography 33,pp.458-469 (共著) Link
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経歴
■ 学歴
1. 1998/04~2001/03 東京理科大学大学院 理工学研究科 応用生物科学専攻 博士課程修了 博士(理学)
2. 1996/04~1998/03 東京理科大学大学院 理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程修了 修士(理学)
3. 1992/04~1996/03 東京理科大学 理工学部 応用生物科 卒業 学士(理学)
■ 職歴
1. 2019/04~ 京都産業大学 生命科学部 産業生命科学科 教授
2. 2016/04~2019/03 京都産業大学 総合生命科学部 生命資源環境学科 教授
3. 2010/04~2016/03 京都産業大学 総合生命科学部 生命資源環境学科 准教授
4. 2006/04~2008/03 University of California, Davis Department of Plant Biology 日本学術振興会特別研究員
5. 2005/04~2010/03 University of California, Davis Department of Plant Biology ポスドク
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■ 所属学会
1. 京都植物バイテク談話会
2. 日本分子生物学会
3. 日本植物学会
4. 日本植物形態学会
5. 日本植物生理学会
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■ researchmap研究者コード
1000364412
■ 資格・免許
1. 1998/03/20 中学校教諭専修免許(理科)
2. 1998/03/20 高等学校教諭専修免許(理科)
3. 2000/02/14 第一種放射線取扱主任者
4. 2012/03/20 衛生工学衛生管理者
その他
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2022/02~2024/01  Tuning the regenerative competence in Brassicaceae 競争的資金等の外部資金による研究 
2. 2021/04~2025/03  植物の新奇器官「再生繁殖芽」の発生メカニズムと進化的基盤の解明 科学研究費助成事業(科学研究費補助金)(基盤研究(B) (キーワード:再生繁殖芽)
3. 2021/04~2022/03  生きものアプリによる地域の自然環境調査の教育プログラムの開発 機関内共同研究 
4. 2021/04~2022/03  虫こぶ形成昆虫由来生理活性ペプチドCAPを利用した新規バイオスティミュラントの汎用製品化 競争的資金等の外部資金による研究 
5. 2021/01~2023/12  水生植物异形叶的生态/发育/进化研究 競争的資金等の外部資金による研究 
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■ 講師・講演
1. 2024/01/27 かみがもラボ(上賀茂小学校児童向け科学体験イベント)
2. 2023/07/16 みんなでつくろう!フタバアオイのビオトープ
3. 2023/06/17 わくわくラボ(科学体験イベント)
4. 2023/02/03 わくわくラボ(科学体験イベント)(姫路市立手柄小学校)
5. 2023/01/14 葵いっぱいの上賀茂ビオトープ
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■ 委員会・協会等
1. 2017/06/07~ 特定非営利活動法人ハテナソン共創ラボ 副理事長
■ ホームページ
   https://www.seisukekimura.com
■ メールアドレス
  kyoin_mail
■ 受賞学術賞
1. 2021/09 日本インターンシップ学会 第4回槇本記念賞「秀逸な事例」 (理工系専門教育に特化した中長期インターンシッププログラム「理工系コーオプ教育プログラム」の実践)
2. 2021/03 日本都市計画学会関西支部 2020年度 関西まちづくり賞受賞 (産官学連携による京都嵯峨野の竹林・田園保全~地域内連携を活かした循環型産業~)
■ 現在の専門分野
植物分子、生理科学, 発生生物学, 生態学、環境学, 進化生物学, 形態、構造 (キーワード:生態進化発生学 分子発生生物学 遺伝学 環境応答学) 
■ 科研費研究者番号
40339122
■ 担当経験のある科目
1. 生物学通論A(京都産業大学 教職課程科目)
2. 生物学通論A(京都産業大学 総合生命科学部)
3. 生物学実験(京都産業大学 総合生命科学部)
4. 基礎生態学(京都産業大学 総合生命科学部)
5. 環境応答学(京都産業大学 総合生命科学部)
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■ 外部研究者ID
orcID 0000-0002-6796-3675