研究概要 |
■ 研究概要
1.なぜその研究をしているのか
法(や関連する規範、とりわけ組織の規範)が、実際に社会の中でどのように機能しているのか/していないのか、理解を深めるため。
2.研究手法
まず、社会に遍在している法ないし規範が、それぞれ実際に社会の中でどのように機能しているのか、個別具体的な調査対象の特性に合わせて適切な調査技法を用いながら、経験的なデータを収集する。そして、データを分析する際には、社会学の泰斗であるタルコット・パーソンズが構築した理論をフレームワークとして採用する。パーソンズが『科学と近代世界』で知られる科学哲学の大家ホワイトヘッドに影響を受けつつ構築した理論は、社会学だけでなく法学・経済学・心理学・人類学に情報工学や生命科学・精神医学に至るまで、各学問において決定的な貢献をした諸成果を相互補完的に組み合わせた総合理論としての性格を有する。そして、ミクロ/メゾ/マクロのどのレベルでも一貫性をもって適用・応用可能な一般性を有する一般理論としての性格を有する。しかも、他の理論にはない魅力として、法をはじめとする規範の働きを検出・測定できるフレームワークを提供している。このような理論をさしあたりの拠って立つ「足がかり」とすることで、深い洞察を得るようにする。いわば「巨人(総合理論)の肩の上に立って、高性能のサーチライト(一般理論)を有効活用しながら、より遠くをみる」ことに努める。
3.その研究の結果どのようなことができるようになるのか(わかるようになるのか)
たとえば、社会の中での法の実際の機能が想定通りで問題がないのか、あるいは想定外で問題があるのか、判別できるようになる。
4.社会にどのように役立つのか
たとえば、法を社会の中で適切に機能させるためにはどうすればよいのか、ある程度見通しをもつことができるようになる。 |
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業績 |
■ 学会発表
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■ 著書・論文歴
1. |
2024/10 |
論文 |
「寄付の使途拘束に関わるソフトローの⾒直し―新しい公益法⼈制度改⾰の趣旨を踏まえて―」 報告書『公益・⼀般法⼈における寄付を めぐる多⾓的検討』 (単著) |
2. |
2024/03 |
論文 |
「検察と警察の関係:酒井邦彦元検事長による回顧に基づいて」 社会安全・警察学 (10),171-178頁 (共著) |
3. |
2023/12 |
その他 |
「2023年 学界回顧 法社会学」 法律時報 95(13) (共著) |
4. |
2023/08 |
著書 |
「死・宗教・法―個人主義に関するタルコット・パーソンズの洞察」 飯田高・斉藤哲志・瀧川裕英・松原健太郎編『リーガル・ラディカリズム:法の限界を根源から問う』 218-232頁 (単著) |
5. |
2023/03 |
その他 |
【司会・質疑応答】秋富克哉教授(京都工芸繊維大学)ご講演「歴史的形成作用としての科学技術-西田幾多郎とハイデッガーー」 世界問題研究所紀要 38,16-35頁 |
6. |
2023/03 |
その他 |
「ORAプログラム関連の調査研究についての途中経過報告」 社会安全・警察学 (9),3-4頁 (共著) |
7. |
2022/12 |
その他 |
「2022年 学界回顧 法社会学」 法律時報 94(13),211-220頁 (共著) |
8. |
2022/03 |
論文 |
「ネオ社会進化論からみたSociety5.0におけるアジャイル・ガバナンスの特色:パーソンズの見通しから理解する近未来構想」 世界問題研究所紀要 37巻,1-17頁 (単著) |
9. |
2022/03 |
論文 |
「「つなぐ法・きりはなす法」についての考察―共通性を見出す―」(全体シンポジウム「つなぐ法・きりはなす法」) 法社会学 (88号),36-43頁 (単著) |
10. |
2022/03 |
著書 |
「法文化・法意識」 佐藤岩夫・ 阿部昌樹編著『スタンダード法社会学』 (単著) |
11. |
2022/03 |
その他 |
「最新の科学研究とパーソンズのテーゼ:事実と理論の相互寄与」 京都産業大学世界問題研究所ニューズレター (5号),4-6頁 (単著) |
12. |
2021/08 |
論文 |
「公益法人の財務三基準に関するシステム論的理解:認定制度の趣旨と収支相償の解釈」 非営利法人研究学会誌 23巻,23-34頁 (共著) |
13. |
2021/03 |
論文 |
「パーソンズの科学論に関するメタ的考察:規範をめぐるナチズムとのコンフリクト」 世界問題研究所紀要 36巻,57-69頁 (単著) |
14. |
2021/03 |
その他 |
書評「石田慎一郎著『人を知る法、待つことを知る正義―東アフリカ農村からの法人類学―』」 法社会学 (87号),288-293頁 (単著) |
15. |
2020/10 |
著書 |
「メディエーションの技法の理論」和田仁孝・中村芳彦・山田恵子・久保秀雄『ADR/メディエーションの理論と臨床技法』 (単著) |
16. |
2020/08 |
論文 |
「死・宗教・法―個人主義に関するタルコット・パーソンズの洞察」 論究ジュリスト (34号),159-167頁 (単著) |
17. |
2020/03 |
その他 |
「非行防止の取り組みに関するフィールドリサーチ―学校及び地域社会を対象とする調査の《概要》と《主要な成果》」 社会安全・警察学 (6),77-82頁 (単著) |
18. |
2019/07 |
その他 |
「座談会 私立大学におけるインターンシップ推進を考える」 大学時報 (387号),14-29頁 (共著) |
19. |
2019/03 |
その他 |
【企画・司会進行・編集】ジョナサン・サイモン,宮澤節生,平山真理他「コメント・質疑応答」(研究会「警察の国際比較:デモクラシーはどのように機能するのか」) 社会安全・警察学 (5),107-114頁 |
20. |
2019/03 |
その他 |
「趣旨説明」(研究会「警察の国際比較:デモクラシーはどのように機能するのか」) 社会安全・警察学 (5号) (単著) |
21. |
2018/03 |
その他 |
【パネル・ディスカッション】「非行防止の取り組みをどう広げるか」 社会安全・警察学 (4号) (共著) |
22. |
2018/03 |
その他 |
【研究調査報告】「非行防止はいかにして実現したのか」 社会安全・警察学 (4号) (単著) |
23. |
2018/03 |
著書 |
「近代における社会変動と法―収斂と変異」高谷知佳・小石川裕介編『日本法史から何がみえるか―法と秩序の歴史を学ぶ』 (単著) |
24. |
2017/03 |
論文 |
「人類学は《法》をどう見るのか―象徴人類学と解釈人類学の収斂を踏まえて―」 法社会学 (83号),142-150頁 (単著) |
25. |
2016/12 |
論文 |
「法の社会的起源と通過儀礼―地域社会におけるアウトサイダーとインサイダーの紛争処理―」 法と社会研究 (2号),27-53頁 (単著) |
26. |
2016/06 |
その他 |
「(3)刑罰意識を規定する功利主義的要因と道徳的要因」 科学研究費助成事業 研究成果報告書 「刑罰と犯罪抑止」 3頁 (共著) |
27. |
2016/03 |
論文 |
「教育効果の汎用的指標となる透過性調整力―大学・個人・職場をむすぶ心の働き―」 高等教育フォーラム (第6号),1-9頁 (共著) |
28. |
2016/02 |
著書 |
抄訳 デイヴィッド・M・エンゲル「何が不法行為法の敷居を高くしているのか―権利主張が希少であることを説明する」 西田英一・ 山本顯治編著『振舞いとしての法』 (単著) |
29. |
2016/02 |
著書 |
「行為の理論の収斂―解釈法社会学とタルコット・パーソンズ」 西田英一・ 山本顯治編著『振舞いとしての法』 (単著) |
30. |
2015 |
その他 |
ワークショップ報告「ネット社会と女子非行」 社会安全・警察学 (2号),47-48頁 (単著) |
31. |
2015 |
著書 |
「文献案内『法と紛争』」 角田猛之/ヴェルナー・メンスキー/森正美/石田慎一郎編『法文化論の展開(千葉正士先生追悼)』 (単著) |
32. |
2015 |
論文 |
「刑罰とりわけ死刑に関する全国意識調査基本報告書: 2014年3月調査」 桐蔭法学 22巻(1号),1-65頁 (共著) |
33. |
2013 |
その他 |
例会報告「コミュニケーションと機能―紛争処理研究の新展開に向けて―」 比較都市史研究 32巻(1号),6-7頁 (単著) |
34. |
2011 |
著書 |
翻訳 ローレンス・ローゼン著『文化としての法―人類学・法学からの誘い』 (共著) |
35. |
2011 |
著書 |
「紛争処理の原初形態―現代におけるコミュニティ・ジャスティスの可能性―」 石田慎一郎編『オルタナティブ・ジャスティス―新しい<法と社会>への批判的考察』 (単著) |
36. |
2011/03 |
その他 |
書評「広渡清吾『比較法社会論研究』」 法社会学 (74号),205-210頁 (単著) |
37. |
2010 |
その他 |
座談会「政治犯罪・集団暴力に対する修復的アプローチをめぐる総合的検討」 『コンフリクトの人文学』 大阪大学出版会 (2),87-124頁 |
38. |
2009 |
論文 |
『契約による紛争処理―契約書から読み解く「私的自治」の法実践ー』 京都大学提出博士論文 |
39. |
2009 |
著書 |
「法意識の文化的解釈―「訴訟回避」と「神義論」」 角田猛之/石田慎一郎 編著『グローバル世界の法文化―法学・人類学からのアプローチ』 (単著) |
40. |
2009 |
著書 |
「司法政策と社会調査―ADR運動の歴史的展開をめぐって」 鈴木秀光/高谷知佳/林真貴子/屋敷二郎編著『法制史学会60周年記念若手論文集 法の流通』 (単著) |
41. |
2006 |
著書 |
「法と文化」 和田仁孝編『NJ叢書 法社会学』 (単著) |
42. |
2003 |
その他 |
論評 「カンボジアにおける「政治としての法」と「法の支配」―新憲法体制の構築をめぐって―」 CALE News (10) (単著) |
43. |
2003 |
論文 |
「近代法のフロンティアにおける「文化的他者」についての知(一)(二)―ポストコロニアル批判の法社会学―」 法学論叢 153巻4号 92‐114頁、5号 101‐1頁 (単著) |
44. |
2003 |
論文 |
「近代化と植民地化の中の日本法社会学―ポストコロニアル・パラダイムに向けて」 法社会学研究 (2号),145-172頁 (単著) |
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経歴 |
■ 学歴
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■ 職歴
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■ 教育上の能力
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■ 主要学科目
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■ 所属学会
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■ 職務上の実績
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■ researchmap研究者コード
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その他 |
■ 社会における活動
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■ 研究課題・受託研究・科研費
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■ 委員会・協会等
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■ 受賞学術賞
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■ 現在の専門分野
基礎法学(法社会学) (キーワード:【問い】なぜルールが社会で必要となるのか。どうしてルールは社会で守られる/破られるのか【研究対象】部族社会から近未来社会までを射程に入れた秩序形成のダイナミクスに関する諸問題(紛争処理と逸脱統制、慣行と合理化、専門化/民主化等)【最近の研究トピック】多様な集団・組織における参与観察とアクションリサーチ、自律性の規範とその機能【研究アプローチ】タルコット・パーソンズが唱導した行為の一般理論の応用(各種の実践を含む))
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