研究キーワード:【問い】なぜルールが社会で必要となるのか。どうしてルールは社会で守られる/破られるのか【研究対象】部族社会から近未来社会までを射程に入れた秩序形成のダイナミクスに関する諸問題(紛争処理と逸脱統制、慣行と合理化、専門化/民主化等)【最近の研究トピック】多様な集団・組織における参与観察とアクションリサーチ、自律性の規範とその機能【研究アプローチ】タルコット・パーソンズが唱導した行為の一般理論の応用(各種の実践を含む)
    (最終更新日:1000-01-01 00:00:00)
  クボ ヒデオ   KUBO HIDEO
  久保 秀雄
   所属   京都産業大学  法学部
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
1.なぜその研究をしているのか
法(や関連する規範、とりわけ組織の規範)が、実際に社会の中でどのように機能しているのか/していないのか、理解を深めるため。
   
2.研究手法
まず、社会に遍在している法ないし規範が、それぞれ実際に社会の中でどのように機能しているのか、個別具体的な調査対象の特性に合わせて適切な調査技法を用いながら、経験的なデータを収集する。そして、データを分析する際には、社会学の泰斗であるタルコット・パーソンズが構築した理論をフレームワークとして採用する。パーソンズが『科学と近代世界』で知られる科学哲学の大家ホワイトヘッドに影響を受けつつ構築した理論は、社会学だけでなく法学・経済学・心理学・人類学に情報工学や生命科学・精神医学に至るまで、各学問において決定的な貢献をした諸成果を相互補完的に組み合わせた総合理論としての性格を有する。そして、ミクロ/メゾ/マクロのどのレベルでも一貫性をもって適用・応用可能な一般性を有する一般理論としての性格を有する。しかも、他の理論にはない魅力として、法をはじめとする規範の働きを検出・測定できるフレームワークを提供している。このような理論をさしあたりの拠って立つ「足がかり」とすることで、深い洞察を得るようにする。いわば「巨人(総合理論)の肩の上に立って、高性能のサーチライト(一般理論)を有効活用しながら、より遠くをみる」ことに努める。

3.その研究の結果どのようなことができるようになるのか(わかるようになるのか)
たとえば、社会の中での法の実際の機能が想定通りで問題がないのか、あるいは想定外で問題があるのか、判別できるようになる。

4.社会にどのように役立つのか
たとえば、法を社会の中で適切に機能させるためにはどうすればよいのか、ある程度見通しをもつことができるようになる。
業績
■ 学会発表
1. 2024/11/02 「AI・自律・法― Talcott Parsonsのマクロ社会変動理論を踏まえた見通し―」(上海社会科学院・京都産業大学世界問題研究所共催国際ワークショップ「AIと社会」)
2. 2024/09/21 「法のautonomyをどう解釈するか ―法社会学の観点から―」(「法理論研究会特別会:尾崎一郎著『個人化する社会と閉塞する法』(日本評論社、2023年)合評会」)
3. 2024/07/08 「寄付の使途拘束に関わるソフトローを再考する:新しい公益法人制度改革の趣旨を踏まえた解釈」(「公益・⼀般法⼈における寄付をめぐる多⾓的検討」研究会 (非営利法人研究学会分野別研究会))
4. 2024/05/19 司会:個別報告分科会➃(日本法社会学会2024年度学術大会)
5. 2024/03/19 「公益法人による支援事業の立ち上げ過程に学ぶアウトリーチと地域連携に関する諸問題―4機能パラダイムを踏まえた調査データの分析―」(共同研究「地域をケアする福祉コミュニティの形成と展開に関する国際研究・交流拠点の創出」研究会)
全件表示(64件)
■ 著書・論文歴
1. 2024/10 論文  「寄付の使途拘束に関わるソフトローの⾒直し―新しい公益法⼈制度改⾰の趣旨を踏まえて―」 報告書『公益・⼀般法⼈における寄付を めぐる多⾓的検討』  (単著) 
2. 2024/03 論文  「検察と警察の関係:酒井邦彦元検事長による回顧に基づいて」 社会安全・警察学 (10),171-178頁 (共著) 
3. 2023/12 その他  「2023年 学界回顧 法社会学」 法律時報 95(13) (共著) 
4. 2023/08 著書  「死・宗教・法―個人主義に関するタルコット・パーソンズの洞察」 飯田高・斉藤哲志・瀧川裕英・松原健太郎編『リーガル・ラディカリズム:法の限界を根源から問う』 218-232頁 (単著) 
5. 2023/03 その他  【司会・質疑応答】秋富克哉教授(京都工芸繊維大学)ご講演「歴史的形成作用としての科学技術-西田幾多郎とハイデッガーー」 世界問題研究所紀要 38,16-35頁  
全件表示(44件)
経歴
■ 学歴
1. 2009/03
(学位取得)
京都大学 博士(法学)
2. 2006/04~2009/03 京都大学 法学研究科 法政理論専攻 博士課程修了
3. 2003/04~2004/03 京都大学 法学研究科 博士後期課程 基礎法学専攻 博士課程中退
4. 2001/04~2003/03 京都大学 法学研究科 修士課程 修士(法学)
5. 1997/04~2001/03 京都大学 法学部 卒業 学士(法学)
■ 職歴
1. 2023/04~ 京都産業大学 法学部 教授
2. 2012/04~2023/03 京都産業大学 法学部 法政策学科 准教授
3. 2009/04~2012/03 京都産業大学 法学部 法政策学科 助教
4. 2004/04~2006/03 京都大学 大学院法学研究科 助手
■ 教育上の能力
●教育方法の実践例
1. 2022/09 京都産業大学教育支援研究開発センターF工房『アクティブラーニングを活用した授業事例集』掲載(9-11頁)
2. 2017/03/05 話題提供「跳ぶ教室/飛ぶ教室:タルコット・パ ーソンズの理論を踏まえて」 大学コンソーシアム 京都主催 第22回FDフォーラム(京都府立大学) 第1分科会「イマドキの大学教育と「よい学び」」
3. 2017/01/21 ワークショップ「学び合いと成長を促すための様 々な仕掛けを創り出す」大学コンソーシアム京都主 催 2016年度京都FDer塾×大学教育パワーアップ セミナー合同企画(キャンパスプラザ京都)分科会 B「アクティブ・ラーニング×ワークショップ」
4. 2016/10 京都産業大学教育支援研究開発センターF工房『改訂版 アクティブラーニング 事例集』掲載(10頁,20頁)Link
5. 2016/05/28 京都産業大学 教育懇談会2016(本学会場) ミニ講演「困難を乗り越えるための”おまじない” ―今どきの若い人たちと上手に関わるために」
全件表示(15件)
■ 主要学科目
法社会学
■ 所属学会
1. 日本法社会学会
2. 日本犯罪社会学会
3. 非営利法人研究学会
■ 職務上の実績
●実務の経験を有する者についての特記事項
1. 2001/09~2004/03 法務省法務総合研究所国際協力事務部門 研修・研究事務補助委託業務
●その他職務上特記すべき事項
1. 2024/11/05 京都産業大学「障害学生支援に関する研修会」(ゲスト講師 放送大学教授 川島 聡先生)での座談会登壇
2. 2019~2021 大和鋼業株式会社との産学連携協働事業(シミュレーション型教育研修プログラムの研究開発)
3. 2019 京都産業大学「卒業時調査」(学長室IR推進室実施)に関するコンサルテイション
4. 2018 後藤文彦『主体性育成の観点からアクティブ・ラーニングを考え直す』(ナカニシヤ出版, 大学教育学会「JACUEセレクション」選定図書)への調査研究成果の提供
全件表示(12件)
■ researchmap研究者コード
6000016404
その他
■ 社会における活動
1. 2024/06 「法社会学の観点からみた公益法人制度改革」
2. 2024/01 文部科学省国立教育政策研究所総括研究官の訪問調査に対する調査協力(資料・情報提供)
3. 2022/09 【産学連携 地域貢献公益事業】ゼミ有志主催,クーパー・コーチング・ジャパン後援「KBカップ」(京都・大阪 少年少女サッカー大会@宝ヶ池公園スポーツ広場)
4. 2020/11 「京都産業大学×大和鋼業×小川珈琲の異業種コラボレーション~ 法学部久保ゼミ生が犯罪社会学の視点を生かしたオリジナルの組織マネジメント研修教材を作成!」Link
5. 2020/10 「京都産業大学・大和鋼業・小川珈琲の異業種コラボレーションについてインタビュー!」
全件表示(12件)
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2023/04~  「個人・社会の Well-being を向上させる合意形成支援方法に関する研究」 機関内共同研究 
2. 2023/04~  「地域をケアする福祉コミュニティの形成と展開に関する国際研究・交流拠点の創出」 機関内共同研究 
3. 2022/10~2024/09  「公益・⼀般法⼈における寄付をめぐる多⾓的検討」 国内共同研究 
4. 2022/04~  「「妖術」はどこから犯罪か?―旧英領アフリカ諸国の司法判断の合理性」 令和4(2022)年度 基盤研究(A)(一般) 
5. 2020/10~2023/09  「警察の説明責任-国際基準に向けて」 欧州との社会科学分野における国際共同研究プログラム(ORA) 
全件表示(16件)
■ 委員会・協会等
1. 2024/08~ 京都府公益認定等審議会 会長
2. 2023/08~ 大阪府公益認定等委員会 委員長代理
3. 2023/08~ 大阪府公益認定等委員会 委員
4. 2023/05~ 日本法社会学会 理事
5. 2022/10~2024/09 非営利法人研究学会 分野別研究会 公益・一般法人部会 委員【法律分野】
全件表示(8件)
■ 受賞学術賞
1. 2004 日本法社会学会学会奨励賞
■ 現在の専門分野
基礎法学(法社会学) (キーワード:【問い】なぜルールが社会で必要となるのか。どうしてルールは社会で守られる/破られるのか【研究対象】部族社会から近未来社会までを射程に入れた秩序形成のダイナミクスに関する諸問題(紛争処理と逸脱統制、慣行と合理化、専門化/民主化等)【最近の研究トピック】多様な集団・組織における参与観察とアクションリサーチ、自律性の規範とその機能【研究アプローチ】タルコット・パーソンズが唱導した行為の一般理論の応用(各種の実践を含む))