研究概要 |
■ 研究概要
◆研究課題
債券市場に関する制度整備および取引動向の把握およびその意義の検討
◆研究概要
本職はこれまで、各国(米国、日本、EU等)における債券(政府による国債、民間企業による社債、既存債権の流動化・証券化を目的とする証券化商品など多様な形態を幅広く対象とする)市場にかかる取引動向(債券および証券化商品の発行額、現存額、売買高等の規模の推移、債券利回りの推移等)の歴史的な変化の過程の中で債券等の市場にかかる諸制度、とりわけ法令諸規則および市場慣行等による取引関連情報等の開示制度等の整備状況に関する研究を進めてきた。
本年度においては、昨年度に引き続き、各国中央銀行による量的・質的金融緩和政策の方策としての中央銀行による債券等(国債、社債、証券化商品等)の資産買入れが市場の流動性に及ぼす影響の把握・分析ならびにそれへの対応の検討に重点を置く。中央銀行による資産買入れは、2008年金融危機後の景気後退への対応として2010年代半ばにかけて各国において大規模に実施された後、2010年代後半には世界的な景気回復を背景に縮小されたが、2020年における新型コロナウィルス感染症の世界的流行による景気後退および財政支出拡大を受けて再び開始され、2022年には世界的なインフレの進行への対処として各国の金融政策が引き締めスタンスに転じたことから縮小ないし停止されているが、これまでの蓄積の結果、中央銀行による国債保有残高の規模はかつてないほどに大きくなっており、国債流通市場、ひいては各種債券流通市場の流動性の低下につながっているとの指摘が多く、金融政策のあり方を論じる上でも重要性の高い論点となっている。
本年度の研究においては、また、持続可能な社会の実現を含む多様な社会的課題解決に資する金融取引の重要性が高まる中、いわゆるサステイナブル関連債券形態での資金調達・運用の手法の多様化・規模の拡大が進行していることに着目し、そのような市場動向の把握およびそのような市場環境変化を受けた新たな制度・慣行の整備の動向を把握することも、課題とする。 |
|
|
|
|
|
業績 |
■ 学会発表
|
■ 著書・論文歴
1. |
2021/04 |
論文 |
米国のコロナ危機対応財政・金融政策における国債をめぐる動向 証券レビュー 61(4),74-95頁 (単著) |
2. |
2019/05 |
著書 |
図説アメリカの証券市場2019年版(分担執筆 第5章 債券流通市場) (共著) |
3. |
2019/04 |
論文 |
米国レポ市場における制度改革の動向 証券レビュー 59(4),71-87頁 (単著) |
4. |
2017 |
著書 |
証券事典(項目執筆「第Ⅱ編 証券市場の構造/第2章 証券発行市場の構造/[2]日本の債券発行市場/1.国債」「同/2.政府保証債・財投機関債」、「同/6.CP」) (共著) |
5. |
2016 |
著書 |
図説アメリカの証券市場2016年版(分担執筆 第5章 債券流通市場) (共著) |
6. |
2015 |
論文 |
債券価格情報インフラ整備の動向 証券レビュー 55(6),67-117頁 (単著) |
7. |
2013 |
著書 |
図説アメリカの証券市場2013年版(分担執筆 第5章 債券流通市場) (共著) |
8. |
2011 |
著書 |
戦後公社債市場の歴史を語る(共編著) (共著) |
9. |
2011 |
論文 |
米国における証券化商品規制の動向 証券レビュー 51(6),42-88頁 (単著) |
10. |
2010 |
論文 |
国庫短期証券は国債か-公社債市場関連統計に関する一考察- 証研レポート (1662),57-71頁 (単著) |
11. |
2010 |
論文 |
米国資産担保証券の開示規制強化にかかるSEC規則改正案 証研レポート (1660),33--39頁 (単著) |
12. |
2010 |
論文 |
規制強化迫られる証券化商品市場 証研レポート (1658),64-76頁 (単著) |
13. |
2009 |
著書 |
図説アメリカの証券市場2009年版(分担執筆 第5章 債券流通市場) (共著) |
14. |
2009 |
論文 |
住宅ローン関連不良資産買い取りスキームの困難性 証研レポート (1654),39-48頁 (単著) |
15. |
2009 |
論文 |
再開に向け情報開示の整備進む証券化商品市場 証研レポート (1656),38-50頁 (単著) |
16. |
2009 |
論文 |
金融危機下の債券フェイル多発について 証研レポート (1652),35-44頁 (単著) |
17. |
2008 |
論文 |
EU債券市場に透明性要件制度化は必要か 証研レポート (1646),52-64頁 (単著) |
18. |
2008 |
論文 |
住宅ローン証券化商品の市場規模と価格形成 証研レポート (1650),50-64頁 (単著) |
19. |
2008 |
論文 |
債券市場における価格情報の役割とは 証券レビュー 48(4),68-138頁 (単著) |
20. |
2008 |
論文 |
証券化商品の原資産情報トレーサビリティ向上とは 証研レポート (1648),58-70頁 (単著) |
21. |
2007 |
論文 |
米国国債市場「ベスト・プラクティス」の策定―フェイル多発およびレポ・スクィーズへの対応― 証研レポート (1642),45-61頁 (単著) |
22. |
2007 |
論文 |
米国FINRAによる債券マークアップ・ポリシーの制定と運用 証研レポート (1644),52-64頁 (単著) |
23. |
2007 |
論文 |
NASDおよびNYSEによる自主規制機能の一部統合計画 証研レポート (1640),45-57頁 (単著) |
24. |
2007 |
その他 |
証券外務員必携(平成19年版)第2巻(分担執筆 第2章 債券業務) (共著) |
25. |
2006 |
論文 |
アジア債券市場育成構想における市場の重層性 証研レポート (1636),27-45頁 (単著) |
26. |
2006 |
論文 |
英国債券流通市場の透明性に関するFSAディスカッション・ペーパー 証研レポート (1634),37-53頁 (単著) |
27. |
2006 |
論文 |
EUおよび英国における債券市場の透明性に関する検討の動向 証研レポート (1638),36-53頁 (単著) |
28. |
2005 |
著書 |
図説アメリカの証券市場2005年版(分担執筆 第5章 債券流通市場) (共著) |
29. |
2005 |
論文 |
名護金融特区とアジア債券市場構想 名護金融特区の現状と展望(関西大学法学研究所学術フロンティア推進事業国際シンポジウム報告書) 52-59頁 (単著) |
30. |
2005 |
論文 |
欧州における債券電子取引の動向 証研レポート (1632),40-57頁 (単著) |
31. |
2005 |
論文 |
米国社債・地方債に係る取引結果情報公表のリアルタイム化 証研レポート (1630),40-53頁 (単著) |
32. |
2004 |
論文 |
ユーロ債流通市場における価格情報インフラ 証研レポート (1626),32-43頁 (単著) |
33. |
2004 |
論文 |
社債市場の透明性 証研レポート (1627),39-53頁 (単著) |
34. |
2003 |
論文 |
通貨危機後の東アジアにおける債券市場をめぐる動向 証券経済研究 (43),1-27頁 (単著) |
35. |
2002 |
著書 |
現代経営学(分担執筆 第9章 ビジネスモデルとしての債券価格情報インフラ) (共著) |
36. |
2002 |
論文 |
資産流動化証券流通市場の特徴 資産流動化と投資家保護に関する調査報告書第一分冊 36-47頁 (単著) |
37. |
2001 |
論文 |
米国における社債店頭売買に係る取引結果の報告及び公表に関するNASD規則の制定について 証券レビュー 41(8),46-61頁 (単著) |
38. |
2000 |
論文 |
米国債券市場における価格情報の公表等について 証券団体協議会議レポート (5),1-41頁 (単著) |
39. |
1999 |
論文 |
国内普通社債の発行利回りスプレッドの形成について 証券経済学会年報 (34),106-111頁 (単著) |
40. |
1995 |
著書 |
日米金融規制の再検討(分担執筆(翻訳)第5章 アメリカにおける金融保証・保険制度の改革問題) (単著) |
41. |
1995 |
論文 |
The Japanese Currency Policy and the British Banks in Asia in 1870s-1890s The Kyoto University Economic Review (64),pp.1-8 (共著) |
42. |
1993 |
論文 |
貨幣・地金輸出自由化と17世紀イギリス経済政策におけるマンの系譜 京都大学経済論集 (6),61-71頁 (単著) |
43. |
1989 |
著書 |
国際通貨没落過程の政治学―ポンドとイギリスの政策― (共著) |
5件表示
|
全件表示(43件)
|
|
経歴 |
■ 学歴
|
■ 職歴
|
■ 所属学会
|
■ 職務上の実績
|
■ researchmap研究者コード
|
その他 |
■ 社会における活動
|
■ 研究課題・受託研究・科研費
|
■ 講師・講演
|
■ 委員会・協会等
|
■ メールアドレス
|
■ 現在の専門分野
金融、ファイナンス (キーワード:証券 証券市場 債券 債券市場)
|
|