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  ヤマガミ ヒロシ   YAMAGAMI HIROSHI
  山上 浩志
   所属   京都産業大学  理学部 物理科学科
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
◆研究課題
相対論的密度汎関数法による第一原理的軌道分極に関する理論的研究

◆研究概要
放射光磁気円二色性などで測定できる磁性体の軌道モーメントは希土類やアクチノイドの重元素化合物だけでなく、3d 遷移金属においても磁性の重要な因子である。第一原理的な定量解釈ではその軌道分極のメカニズムの解明が必須である。しかしながら、スピン密度汎関数法 (SDFT) による相対論的な第一原理計算で測定結果を定量的に説明できない場合があるために、約30年前に提唱された現象論的な軌道分極の概念が現在でも使われている。本研究の目的はそれを打開するために、物理の原理に立ち返って軌道分極を再構築することである。
相対論的軌道電流をSDFTに新たに導入して、交換相関エネルギーの汎関数ではなく、Hartree 近似の範囲で電磁気学的なベクトルポテンシャルとして考慮することで、自己無撞着に軌道モーメントを決定する。局所スピン密度近似における希土類 3価イオンの計算結果は、フント則に従う全角運動量に比例した4f軌道の分極を示すことを初めて明らかにした。
本研究では、相対論的バンド理論に応用した革新的な第一原理計算を実行して、磁性体の系統的な研究のための基盤を形成する。
業績
■ 学会発表
1. 2021 X線角度分解光電子分光法による重い電子系物質EuNi2P2の電子状態の研究(日本物理学会講演概要集(CD-ROM))
2. 2020 放射線照射したPt/Y3Fe5O12の放射光硬X線光電子分光(日本物理学会講演概要集(CD-ROM))
3. 2020 電流密度を考慮したスピン分極相対論的密度汎関数理論における軌道磁性(日本物理学会講演概要集(CD-ROM))
4. 2019 AnTh6Ge4(An=Th,U)のde Haas-van Alphen効果(日本物理学会講演概要集(CD-ROM))
5. 2019 UCu2Si2およびUCu2Ge2の軟X線磁気円二色性による研究(日本物理学会講演概要集(CD-ROM))
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■ 著書・論文歴
1. 2023/11 論文  Impact of the Ce 4f states in the electronic structure of the intermediate-valence superconductor CeIr3 Electronic Structure 5(4),045009-045009頁  
2. 2023/10 論文  Strongly renormalized quasiparticles in UPt3 Physical Review B 108(16)  
3. 2023/08 論文  Element-specific insight into ferromagnetic stability in UCoGe revealed by soft x-ray magnetic circular dichroism Physical Review B   
4. 2023/06 論文  Quasiparticle State in 4f Localized Ferromagnet CeRu2Ge2 Studied by Soft X-ray Photoemission Spectroscopy Journal of the Physical Society of Japan 92(6)  
5. 2022/03/22 論文  Electronic structure of ThPd2Al3: Impact of the U 5f states on the electronic structure of UPd2Al3 Physical Review B 105(11),pp.115128  
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経歴
■ 学歴
1.
(学位取得)
新潟大学 学術博士
2.
(学位取得)
新潟大学 理学修士
3.
(学位取得)
新潟大学 学術博士
4.
(学位取得)
新潟大学 理学修士
5.
(学位取得)
新潟大学 学術博士
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■ 職歴
1. 京都産業大学 理学部 物理科学科
2. 京都産業大学 理学部 物理科学科
3. 2022/04~ 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター アクチノイド科学研究グループ
4. 2022/04~ 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター アクチノイド科学研究グループ
5. 2016/04~2022/03 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 物質科学研究センター 電子構造物性研究グループ
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■ 所属学会
1. 日本物理学会
その他
■ 社会における活動
1. 2021/12 半導体が磁石にもなるとき何が起こるのか? -エレクトロニクスから次世代スピントロニクス社会実現への一歩-
2. 2009/05 「重い電子」が作るフェルミ面の直接観測に世界で初めて成功
3. 2007/07 超伝導を引き起こす「重い電子」の不思議な振る舞いを捉えた
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2010/04~2014/03  固体の電子密度揺らぎを考慮した強相関電子系の電子構造の理論的研究 基盤研究(C) 
2. 2008~2012  価数不安定性をもつアクチノイド化合物に特有の新奇量子状態の研究 基盤研究(S) 
3. 2008~2012  先端光電子分光によるf電子系化合物の高精度バルクフェルミオロジー 新学術領域研究(研究領域提案型) 
4. 2007~2008  反転対称性の破れた強相関電子系のフェルミ面と二重空間群による対称化の理論的研究 基盤研究(C) 
5. 2007~2008  蛍光収量XMCD実験によるウラン化合物のメタ磁性転移の研究 基盤研究(C) 
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■ 展覧会・演奏会・競技会等
1. Electronic Structure calculations of f-Electron compounds by Band theory.
2. バンド理論による子電子系化合物の電子構造の計算
■ 委員会・協会等
1. 2019~ 日本フンボルト協会 理事
2. 2019~ 日本フンボルト協会 理事
3. 2017~ 日本フンボルト協会関西支部 理事
4. 2017~ 日本フンボルト協会関西支部 理事
5. 2009/04~2011/03 日本物理学会 受賞候補等推薦委員
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■ 受賞学術賞
1. 1994 金属研究助成賞
■ 現在の専門分野
磁性、超伝導、強相関系, 計算科学, 磁性、超伝導、強相関系, 金属材料物性, 量子ビーム科学, 計算科学, 磁性、超伝導、強相関系, 金属材料物性, 量子ビーム科学