研究概要 |
■ 研究概要
◆研究課題
結び目理論とそのDNA形状シミュレーションへの応用
◆研究概要
クロマチンのような鎖状のものを計算機によってシミュレートするときに良く用いるモデルは,Wormlike-Chainモデルと呼ばれるものであり,実際に計算するときには,それを逐次追加的に伸ばして行くというアルゴリズムが通常とられている。本研究においても,モデルとしてはWormlike-Chainモデルを採用するが,精度を上げるために,DNAコドンごとの persistence length を設定したモデルとする。
実際の計算時においては,従来の逐次追加的な計算では,クロマチンの始点と終点とが一致する保証はなく,環状クロマチンのシミュレーションを行うためには,多数の計算結果の中から,始点と終点とが一致しているあるいは非常に近いものを選び出す必要があり,非効率な方法となる。そこで,本研究においては,persistence length が設定された環状 Wormlike-Chainモデルにおいて,その中の2点の位置および状態を設定したときに,chain上でその2点の中間にあたる点の位置および状態について,細胞核内という存在範囲も考慮したときのその確率分布を求め,その分布に従ってランダムにその中間の点を計算し,その計算結果を元にさらに次の中間の点を計算する,という補間アルゴリズムを用いる。その際に問題となってくるのが,前述の確率分布をいかにして算出するかということである。その数学的な厳密解を求めるのは困難であるが,実用に耐える近似的な確率分布を求めることは可能である。
本研究の大きな課題の一つがこの確率分布を求めることと,その実際的な計算法を確立することにある。 また,シミュレーション結果を元に,その位相幾何学的な形状に注目し,それが有糸分裂期に至るために必要なDNAトポイソメラーゼ(特にII型)の作用回数の評価を行い,それによってトポイソメラーゼがDNA鎖に作用するときの数理モデルを構築することも研究計画の一つである。 |
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幾何学 (キーワード:低次元位相幾何学 結び目理論)
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