研究キーワード:ファイナンス リスクマネジメント 保険 Finance Risk Management Insurance
    (最終更新日:1000-01-01 00:00:00)
  スザワ ヨシヒコ   SUZAWA YOSHIHIKO
  諏澤 吉彦
   所属   京都産業大学  経営学部 マネジメント学科
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
◆研究課題
長寿社会における新たな保険理論と保険経営の研究―健康増進型保険の計量分析を軸に―

◆研究概要
健康増進型医療保険に代表される、ICTを活用した被保険者のインセンティブコントロールをとおして保険金を削減しようとする新たな保険商品が登場している現状に鑑み、保険が、従来のリスク移転機能を加え、損失軽減機能を積極的に果たし得ることを裏付ける新たな保険理論の構築を目指す。そのために、まず健康診断計測値、歩行量、運動時間、食事習慣、睡眠時間などの各種健康関連指標値の変化が、医療費と保険金に及ぼす影響を、シミュレーションを軸とした計量分析をとおして探り、医療費・保険金削減効果の高い健康関連指標値を見出す。さらに、健康増進効果の高い指標に基づく医療保険の引受けが保険会社の財務状況に与える影響を、経済価値ベースのソルベンシー比率と新事業価値などに基づいて解明し、これらを損なわない範囲で許容される同保険の運営費用および保険料割引などの報償の体系を検討する。そのうえで、健康増進型医療保険が契約後の加入者の行動に関する情報の非対称性に起因するモラルハザードを解消し得る理論的体系を、情報とインセンティブの文脈から再整備する。
また同時に、近年、従業員の健康増進と生産性向上をともに目指した健康経営のあり方が注目され、単に身体的、精神的な健康増進を目指した人的資本投資の範囲にとどまらず、従業員の特質と職場環境との適合、生活の質とパフォーマンスの関係、職場または業務に対する感情と生産性との関係についても研究が広がった結果、ワークライフバランスの推進、従業員の成長機会の確保、成果の承認、従業員の意思決定への参画の重要性にも議論が及ぶようになっている。こうしたなか、生命保険会社、損害保険会社ともに、企業・組織を対象にヘルスケア分野で保険商品やサービスを提供する事例が少なからず見られるようになっている。このような状況を受け、保険会社が、保険契約引受け、契約維持、保険金支払いなどの一連の業務を行うなかで蓄積したリスク評価とリスクコントロールに関する技術知識を活用して、企業・組織を対象としてどのようなヘルスケア・サービスを提供すれば、健康経営推進に貢献し得るのかを分析する。
業績
■ 学会発表
1. 2024/12/12 Public-Private Insurance Partnership for a Social Resiliency Exposed to Natural Disaster Risks(International Symposium on Protection Gaps in Natural Disasters)
2. 2024/12/03 Lifestyle Intervention to Promote Elderly Workers’ Mental Health and Productivity: An Analysis of Data from Corporate Health Insurance Claims and Wearable Devices(32nd Colloquium of Pension and Retirement Research)
3. 2024/09/18 Lifestyle Intervention to Promote Elderly Workers’ Mental Health and Productivity: An Analysis of Data from Public Corporate Health Insurance Claims and Wearable Devices(20th European Geriatric Medicine Society Congress)
4. 2024/07/29 健康経営推進のために共済組合が 果たすべき役割 ―保険会社の取組みをとおした考察―(共済理論研究会)
5. 2023/10/20 保険業規制の国際協調のあり方に関する考察―保険のリスク移転と金融仲介機能に焦点をあてて―(風險管理與保險法制國際沙龍(リスクマネジメント・保険法制国際フォーラム))
全件表示(52件)
■ 著書・論文歴
1. 2024/12 論文  Lifestyle Intervention to Promote Elderly Workers’ Mental Health and Productivity: An Analysis of Data from Corporate Health Insurance Claims and Wearable Devices 32nd Colloquium on Pensions and Retirement Research Proceedings (32),pp.1-20 (共著) 
2. 2024/09 論文  Role of Insurance in Corporate Health and Productive Management: Productivity Loss Analysis after Cancer Treatment Based on Corporate Medical Insurance Claims Data 京都マネジメント・レビュー (45),pp.19-36 (共著) 
3. 2024/09 論文  老齢保障システムにおける公的年金と私的年金の機能分担 月刊企業年金 43(7),8-11頁 (単著) 
4. 2024/02 論文  健康経営推進に向けた損害保険事業の役割に関する考察 損害保険研究 85(4),173-199頁 (単著) 
5. 2023/10 著書  基礎からわかる損害保険の理論と実務   (単著) 
全件表示(58件)
経歴
■ 学歴
1. 2002/04~2005/03 一橋大学大学院 商学研究科 市場・金融 博士課程修了 博士(商学)
2. 1999/09~2000/12 St. John's University 理学修士課程 Risk Management 修士課程修了 Master of Science
3. 1998/09~2000/08 St. John's University Master of Business Administration Finance 修士課程修了 Master of Business Administration (Hons.)
4. 1984/04~1988/03 横浜市立大学 文理学部 国際関係 卒業
■ 教育上の能力
●作成した教科書、教材
1. 2021/04~ 『はじめて学ぶ会計・ファイナンス』中央経済社
■ 所属学会
1. Asia-Pacific Risk and Insurance Association
2. 2017/07~2020/07 ∟ Director of Board of Governors
3. Eurpean Group of Risk and Insurance Economists
4. 日本ファイナンス学会
5. 日本保険・年金リスク学会
全件表示(13件)
その他
■ 現在の専門分野
金融、ファイナンス, 経営学, 商学 (キーワード:ファイナンス リスクマネジメント 保険 Finance Risk Management Insurance)