研究キーワード:ドイツ語学(意味論・文法論)、対照言語学(独日英語の構文研究)、言語類型論・一般言語学
    (最終更新日:2024-03-17 13:22:46)
  シマ ノリオ   SHIMA NORIO
  島 憲男
   所属   京都産業大学  外国語学部 ヨーロッパ言語学科
   職種   教授
業績
■ 学会発表
1. 2023/11/22 ドイツ語訳テキストの中の「オノマトペ」表現:宮澤賢治『銀河鉄道の夜』のドイツ語訳を中心に(京都産業大学 ことばの科学研究センター 2023年度 第5回研究会)
2. 2022/12/04 宮沢賢治の作品から考える日本語とドイツ語の「擬音語・擬声語」表現(京都産業大学 ことばの科学研究センター 開設記念講演会 「ことばの不思議 ~日本語と世界の言語~」)
3. 2022/11/30 構文と「知覚者」:宮澤賢治のドイツ語訳テキストを中心に(京都産業大学 ことばの科学研究センター 2022年度 第6回研究会)
4. 2021/11/24 構文の機能的役割:宮沢賢治のドイツ語訳テキストを手がかりに(京都産業大学 ことばの科学研究センター 2021年度 第5回研究会)
5. 2021/09/18 宮沢賢治のドイツ語訳テキストに生起するドイツ語構文の機能的役割:結果構文と同族目的語構文を中心に(京都ドイツ語学研究会 第104回例会)
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■ 著書・論文歴
1. 2024/03 論文  宮沢賢治の作品から考える日本語とドイツ語の「擬音語・擬声語」表現 吉田和彦(編) 『ことばの不思議 日本語と世界の言語』 63-83頁 (単著) 
2. 2023/03 論文  構文の機能的役割 : 宮沢賢治のドイツ語訳テキストを手がかりに 京都産業大学総合学術研究所所報 (17),27-59頁 (単著) 
3. 2022/05 その他  宮沢賢治のドイツ語訳テキストに生起するドイツ語構文の機能的役割 -結果構文と同属目的語構文を中心に- Sprachwissenschaft Kyoto (21),42-44頁 (単著) 
4. 2021/07 論文  ドイツ語の文法的構文ネットワーク:結果構文と構文研究 京都産業大学 総合学術研究所所報 (16),25-48頁 (単著) 
5. 2020/03 論文  Strukturierungen und Erweiterungen der Resultativen Konstruktionen im Deutschen: unter besonderer Berücksichtigung der Transitivität des Hauptverbs und des Resultativen Prädikates 京都産業大学論集 人文科学系列 (53),153-166頁 (単著) 
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経歴
■ 所属学会
1. ドイツ文法理論研究会
2. 2014~ ∟ 編集委員
3. ドイツ語教育部会
4. 京都ドイツ語学研究会
5. 日本独文学会
その他
■ メールアドレス
  kyoin_mail
  kyoin_mail
■ 現在の専門分野
言語学, 外国語教育 (キーワード:ドイツ語学(意味論・文法論)、対照言語学(独日英語の構文研究)、言語類型論・一般言語学) 
科研
■ 研究概要
◆研究課題
① 動詞派生名詞句の構文的機能に関する基礎的研究:ドイツ語の機能動詞結合を中心に
② ドイツ語学習者にとっての魅力的な学習教材とは?

◆研究概要
私はドイツ語に関わる文法構造の解明に関心を持っています。具体的な研究分野は、主に意味論(Semantik)・語用論(ragmatik)あるいは形態統語論(Morphosyntax)などの分野に広く関わる領域で、最近は主にドイツ語の「構文」に関わる現象を扱っています。言語資料として実際に使用されている大量のドイツ語データを特に重視しています。また、ドイツ語研究の際には、研究対象言語であるドイツ語だけを観察していると見過ごしてしまう点も多々あるため、言語類型論や言語理論など他の言語を含めた研究成果も援用します。

2023年度は昨年度に引き続き、機能動詞結合と呼ばれている構文に注目します。これは文の中心的意味を動詞派生の名詞句が担う表現形式で、「主語-動詞- (前置詞)-名詞」型の統語的実現形で生起します。「動詞」で表現できる出来事を「動詞派生の名詞句 + 動詞」の形式で表現する時、そこにはどのような意識や意味が潜んでいるのか、あるいは1つの言語の中に本当に全く同じ意味を表す2つの表現が存在するのか、など興味はつきません。このような文法上の問いは、多くの場合、母語話者にも自覚されていない無意識の領域にその解答を求めることが多いため、質的な調査・分析と合わせて、ドイツ・マンハイム市にあるドイツ語研究所が提供する大規模言語資料(コーパス)での調査を通じて量的な分析・調査もしてみたいと計画しています。ドイツ語という言葉を使って、私たち人間は自身を取り巻く外界の出来事をどの様に言語化するのか、またドイツ語と日本語では同じ出来事をことばで表現する際に、どこが共通していて、どこがどの様に異なっているのかが具体的にわかる様になると、外国人でも母語話者のような自然なドイツ語
が発信できる様になるのではないかと考えています。

第2の研究課題では、これまで同様、ドイツ語教授法、あるいはより一般的に外国語教授法の観点から本学でドイツ語を専門に学ぶ学生たちへの効果的な学習支援の方法や可能性を検討し続けていきたいと考えています。具体的には、ドイツ語圏で作成された様々な学習教材を具体的に分析し、その優れた点や問題・課題点等を継続して調査してみたいと考えています。近年の「学習者主体で自律的な学習支援」を目的とした教材が多数提案されており、実践的なドイツ語力をできるだけ高度なレベルにまで限られた時間・期間の中で習得させることを目指しているドイツ語専攻にとって、常にドイツ語圏で開発された新しい教材の調査・研究は益となるところが多いと考えられるからです。