研究キーワード:漢籍 日本書紀
    (最終更新日:2023-05-21 14:31:31)
  イケダ マサヒロ   IKEDA MASAHIRO
  池田 昌広
   所属   京都産業大学  外国語学部 アジア言語学科
   職種   教授
業績
■ 学会発表
1. 2021/12/20 竹から紙へ 書写材料と気候変動(韓国国立慶北大学校人文学術院HK+事業団 第4回国際学術大会)
2. 2020/01/13 日本書紀の成立と記事の虚実(京都産業大学日本文化研究所主催シンポジウム「日本書紀の成立と記事の虚実」)
3. 2012/11/09 『日本書紀』と類書(2012年度日本研究所国際学術シンポジウム)
4. 2012/10/17 『日本書紀』と類書(第1回日韓合同研究フォーラム)
5. 2010/10/23 「古記」所引『漢書』師古注について(佛教史学会)
■ 著書・論文歴
1. 2023/03 論文  明治期における『随園食単』の受容について――木原章六「随園食単註訳」と陽其二『家庭支那料理法』 京都産業大学日本文化研究所紀要 (28),1-28頁 (単著) 
2. 2023/03 論文  玉里文庫所蔵太平天国印書と五代友厚 京都産業大学日本文化研究所紀要 (28),29-44頁 (単著) 
3. 2022/06 論文  巻子から冊子へ――馮道の九経刊行の意義 汲古 81,20-25頁 (単著) 
4. 2022/03 論文  『往生要集外典抄』出典考――『文選』の利用を中心に 京都産業大学論集 人文科学系列 55,288-276頁 (単著) 
5. 2022/03 論文  『袖中抄』と類書 京都産業大学日本文化研究所紀要 27,1-19頁 (単著) 
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経歴
■ 学歴
1.
(学位取得)
佛教大学 博士(文学)
■ 所属学会
1. 『江戸風雅』の会
2. 中国言語文化研究会
3. 古代学協会
4. 和漢比較文学会
5. 日本中国学会
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その他
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2018/04~2022/03  守覚法親王の蔵書から見る中国典籍文化の日本中世文化への影響に関する実証的研究 基盤研究(C)(一般) 
2. 2012~  古代中世日本における漢籍受容史 中国書籍文化史 個人研究 
■ 現在の専門分野
日本史, アジア史、アフリカ史 (キーワード:漢籍 日本書紀) 
科研
■ 研究概要
◆研究課題
(1)五山僧の蘇軾詩注釈から見る中国書籍文化の日本中世への影響に関する実証的研究(科研費基盤研究(C)研究代表者)
(2)『日本書紀』における天智をめぐる諸問題についての研究(個人研究)
(3)日本占領下の北京における西洋古典音楽を媒介にした日中文化交渉の研究(個人研究)

◆研究概要
(1)では、五山僧の蘇軾詩注釈を資料に、日本中世における漢籍の舶載状況を明らかにする。日本の中世文化は中国近世(宋元明)文化からつよい影響をうけたが、重要な役割を果たしたのは漢籍である。1127年に中国では南宋が成立し、商業印刷出版(坊刻)が本格的に始まった。それは元明時代にいっそう拡大し、漢籍の生産量は飛躍的に増加した。くだんの増加は日中間の貿易の拡大にともない、日本の漢籍輸入量の増加に直結したはずである。中世文化の一つの中心であった五山禅林では蘇軾詩が流行した。遅くとも南北朝時代には講釈がおこなわれ、いくつもの注釈(抄物)が作られた。これら蘇軾詩抄には詩の注解のため大量の漢籍が引用されている。これらの出典を究明することで、南北朝から室町時代にいたる漢籍の舶載状況が解明できる。本年度は、本研究の遂行に必須の、抄物(『四河入海』)と各蘇軾詩集の対応表を作成する。
(2)では、天智朝における周公故事と『周礼』の影響をおもに論じる。周公は周王朝をひらいた武王の弟、『周礼』はその周公がさだめた理想的な統治制度を述べた書とされる。周公の事績と『周礼』の内容は、魏晋から隋唐まで歴代王朝の統治理念におおきな影響をあたえた。本研究は、その影響が天智朝にまで到達していたことに実証性をあたえたい。具体的には、天智が自身の正統性を喧伝するため周公故事や『周礼』を利用したことを論ずる。また『日本書紀』編纂の最終段階でおこなわれた天智の神聖化の手法についても附言する。
(3)では、日本占領下の北京(1937~45年)における西洋古典音楽をめぐる日本と中国の人的交渉について論じる。新文化運動を背景に、1920年代の北京では西洋古典音楽の享受が拡大したが、それは日本占領期にどうなったのか。占領下の北京には音楽家をふくむ多くの日本人が渡航したが、どのような音楽的交渉があったのか。そのような視点から調査をおこなう。