研究概要 |
■ 研究概要
◆研究課題
刑法における故意と錯誤の研究および租税刑法の研究
◆研究概要
故意の体系的な地位についての研究を進めていきたい。わが国の刑事法学に多くの影響を与えてきたドイツをはじめヨーロッパ大陸法における議論を参考としながら、故意の体系的地位について、責任要素とするか、違法類型としての構成要件要素とするか、それともいわゆる故意の二重の地位を認めて、違法類型としての構成要件要素であると同時に責任要素でもあるとするか、ということについて自らの立場を明らかにしたい。
刑法総論の領域では、正当化事情の錯誤、違法性の錯誤、規範的構成要件要素の錯誤についてはすでに研究したものをまとめているが、さらに事実の錯誤、期待可能性の錯誤、共犯の錯誤についても研究する予定である。
刑法各論の領域では、名誉毀損罪における真実性の錯誤についてはすでに研究したものをまとめているが、さらに公務執行妨害罪における適法性の錯誤についても研究する予定である。
特別法の領域でも、刑法における故意と錯誤の問題は、租税刑法や行政刑法などの場合に、一般の人が法律の内容を知らないために違法性を意識しにくいという事案での故意の処理の問題にも大きな影響を及ぼしている。 それゆえ、以上のことと併せて、一般刑法のみならず、租税刑法における故意と錯誤に関するドイツ連邦通常裁判所の判例などについても研究していきたい。 |
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業績 |
■ 学会発表
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■ 著書・論文歴
1. |
2024/03 |
論文 |
親の懲戒権を削除し、体罰の禁止を明示した民法改正の刑法解釈への影響について 社会安全・警察学 (10),159-169頁 (単著) |
2. |
2022/10 |
著書 |
吉永一行(編)中村邦義・二本柳高信(著)『法学部入門〔第4版〕:はじめて法律を学ぶ人のための道案内』 (共著) |
3. |
2022/01 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「ドイツ刑法266条aにおける公訴時効の起算点と社会保障の拠出金の支払義務の錯誤―2020年にドイツ連邦通常裁判所第5刑事部が示した2件の判断をめぐって―」 産大法学 55(3-4),493-517頁 (単著) |
4. |
2021/01 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「ドイツ刑法266条aにおける使用者の地位とその社会保障の拠出金の支払義務についての錯誤」 産大法学 54(3-4),89-116頁 (単著) |
5. |
2020/11 |
著書 |
吉永一行(編)中村邦義・二本柳高信(著)『法学部入門〔第3版〕:はじめて法律を学ぶ人のための道案内』 (共著) |
6. |
2020/01 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「ドイツ刑法266条aにおける使用者の身分についての錯誤」 産大法学 53(3・4),533-552頁 (単著) |
7. |
2019/10 |
論文 |
正当化事情の錯誤について 刑法雑誌 58(2),87-105頁 (単著) |
8. |
2018/04 |
論文 |
正当化事情の錯誤についての管見ー最近のドイツの判例と学説を中心としてー 産大法学 52(1),1-27頁 (単著) |
9. |
2018/03 |
その他 |
マーティン・ベーゼ著〔中村邦義訳〕「両親や教師には、正当化事由としての懲戒権があるのか?」 社会安全・警察学 (4),3-12頁 (単著) |
10. |
2017/10 |
著書 |
吉永一行(編)中村邦義・二本柳高信(著)『法学部入門〔第2版〕:はじめて法律を学ぶ人のための道案内-』 (共著) |
11. |
2017/03 |
論文 |
わが国の租税刑法における違法性の錯誤 産大法学 50(3-4),25-48頁 (単著) |
12. |
2017/01 |
論文 |
租税逋脱罪の保護法益についての一考察 法学新報 123(9-10),747-765頁 (単著) |
13. |
2015/10 |
論文 |
ドイツ租税刑法における構成要件の錯誤と禁止の錯誤の区別について 産大法学 49(1-2),324-295頁 (単著) |
14. |
2015/04 |
著書 |
吉永一行(編)中村邦義・二本柳高信(著)『法学部入門:はじめて法律を学ぶ人のための道案内』 (共著) |
15. |
2015/03 |
論文 |
名誉毀損罪における事実の真実性の錯誤 法学新報 121(11-12),309-340頁 (単著) |
16. |
2015/02 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「売上税の租税逋脱罪に関する事案について行為事情の錯誤を理由として一部無罪を言い渡した第一審判決を破棄差戻した事例」 産大法学 48(3-4),486-460頁 (単著) |
17. |
2015/01 |
論文 |
強盗殺人および強盗強姦殺人の擬律 産大法学 48(1-2),115-137 (278-256)頁 (単著) |
18. |
2014/03 |
著書 |
ソーニャ・ロートエルメル著〔只木誠監訳〕『承諾、拒否権、共同決定―未成年の患者における承諾の有効性と権利の形成―』(第8章Ⅳ(301~321頁)の訳を担当) (共著) |
19. |
2013/05 |
その他 |
「刑法」(「特別刑法」を担当) 法律時報5月臨時増刊『判例回顧と展望2012』日本評論社 85(6),62-69頁 (共著) |
20. |
2013/04 |
著書 |
立石二六編『刑法事例30講』(「第5講 結果的加重犯」「第10講 誤想防衛」「第15講 共犯と身分」「第22講 強盗強姦致死罪」「第29講 代理・代表資格の冒用と文書偽造罪」を執筆) (共著) |
21. |
2012/06 |
その他 |
「刑法」(「個人的法益に対する罪」を担当) 法律時報6月臨時増刊『判例回顧と展望2011』日本評論社 84(7),53-56頁 (共著) |
22. |
2011/12 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「諜報員による「たばこ」の許されない輸入」 比較法雑誌 45(3),393-410頁 (単著) |
23. |
2011/05 |
その他 |
「刑法」(「個人的法益に対する罪」を担当) 法律時報5月臨時増刊『判例回顧と展望2010』日本評論社 83(6),55-60頁 (共著) |
24. |
2010/07 |
著書 |
川端博=椎橋隆幸=甲斐克則編『立石二六先生古稀祝賀論文集』(「誤想防衛論」を執筆) 299-338頁 (共著) |
25. |
2010/02 |
論文 |
医療倫理-エホバの証人の輸血拒否をめぐって- 産大法学 43(3-4),333-367頁 (単著) |
26. |
2008/12 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「被侵害者の社会倫理的に否認されるべき先行行為による正当防衛権の制限」 比較法雑誌 41(3),10-31頁 (単著) |
27. |
2007/01 |
論文 |
ワイマール共和国時代における刑事責任論 法学新報 113(3-4),415-514頁 (単著) |
28. |
2006/03 |
論文 |
ドイツにおける近代後期の刑事責任論の歴史的な展開-第一次大戦までの体系的な責任論の展開(2・完)- 法学新報 112(9-10),291-361頁 (単著) |
29. |
2005/10 |
論文 |
ドイツにおける近代後期の刑事責任論の歴史的な展開-第一次大戦までの体系的な責任論の展開(1)- 法学新報 112(5-6),125-184頁 (単著) |
30. |
2005/07 |
論文 |
ドイツにおける近代前期の刑事責任論の歴史的な展開-体系的な責任概念の成り立ち- 法学新報 112(3-4),75-121頁 (単著) |
31. |
2005/06 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「数個の不作為犯における中止犯」 比較法雑誌 39(1),301-320頁 (単著) |
32. |
2004/02 |
論文 |
自殺する者を止める行為は、緊急避難によって正当化されうるか? 中央大学大学院研究年報法学研究科篇 33,257-268頁 (単著) |
33. |
2003/12 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「正当防衛状況をみずから招いたことに責任があった場合の正当防衛権の制限」 比較法雑誌 37(3),205-219頁 (単著) |
34. |
2002/12 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「強盗と恐喝の区別」 比較法雑誌 36(3),134-148頁 (単著) |
35. |
2002/09 |
その他 |
<ドイツ判例研究>「第六次刑法改正法による放火罪の新法」 比較法雑誌 36(2),203-216頁 (単著) |
36. |
2002/03 |
その他 |
<判例研究>「公園予定地の一部に無権限で簡易建物を構築するなどした行為が不動産の侵奪に当たるとされた事例」 法学新報 108(11-12),269-287頁 (単著) |
37. |
2002/02 |
論文 |
正当化事情の錯誤に関する一考察 中央大学大学院研究年報法学研究科篇 31,249-266頁 (単著) |
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経歴 |
■ 学歴
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■ 所属学会
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その他 |
■ 研究課題・受託研究・科研費
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■ 委員会・協会等
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■ 現在の専門分野
刑事法学 (キーワード:刑法 刑事責任論 故意 錯誤 正当化事情の錯誤)
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