研究キーワード:認知神経科学 脳認知情報処理 非侵襲脳イメージング
    (最終更新日:1000-01-01 00:00:00)
  オクダ ジロウ   OKUDA JIRO
  奥田 次郎
   所属   京都産業大学  情報理工学部 情報理工学科
   京都産業大学  先端情報学研究科
   職種   教授
研究概要
■ 研究概要
◆研究課題
意思決定における知覚と報酬の関係

◆研究概要
私たちは、日々様々な外界刺激に対して価値判断を行い、自身の行動の意思決定を行っている。人間の脳と身体が外界環境や事象に対する知覚情報処理や認知過程をどのように成立させ、自他の損益に関わる報酬的価値とどのように結びつけるか明らかにすることは、人間の意思決定の過程を正しく理解するために重要である。意思決定の情報処理は、私たちの意識的および無意識的な判断や行動に影響を及ぼし、その脳人間科学的な解明は、情報メディアや学習教材を始めとする幅広い分野でのコンテンツ設計やシステム設計に有用な知見を与えるほか、日常生活における消費行動や経済行動、モラルや協調性などの社会科学的な諸問題とも深く関わる。
これらの背景のもと本研究では、視覚や聴覚、触覚、嗅覚、味覚などの環境刺激の知覚と統合過程、およびこれら外界刺激に対する報酬的価値やこれに伴う感情的変化などの情報処理をふまえて人間が意思決定に至る過程を調べる心理行動実験を開発、施行する。また、実験中の脳波等の脳活動信号と、視線・皮膚電気反応・心拍・呼吸などの身体生理信号の計測を行う。実験中の行動データや主観データ、計測した生体情報を用いた統計的分析と機械学習などの数理モデル化を行い、行動データと生体信号を基にした意思決定支援や、人と機械および人と人の間の情報交換制御などの応用技術の可能性を検討する。この検討のためのアプローチの1つとして、行動データや生体信号を分析した情報を人間にフィードバック提示した際の効果についての基礎実験も計画に含める。
これら個人の意思決定の研究を発展させて、複数人の間で意思決定モデルを比較あるいは共有して集団でのコミュニケーションが実現される過程への応用も検討対象とする。また、急速な進化を続ける情報環境と人間の適切な共生関係の解明を目指して、近年の仮想現実や拡張現実、各種人工知能の技術により創出された環境下での人間の知覚特性および意思決定過程についても調べる。
本研究は、「人を対象とする研究」に関する倫理審査委員会での承認を得た研究計画の範囲内で実施する。
業績
■ 学会発表
1. 2024/03/02 グループ会話中の顔表情の特徴点データを用いた深層学習による会話参入意欲の自動推定(電子情報通信学会 ヒューマンコミュニケーション基礎研究会)
2. 2023/06/06 会話参入意欲の連続変化の定量測定に基づく適切な会話参入支援タイミングの検討(2023年度人工知能学会全国大会(第37回))
3. 2022/09/07 Neurofeedback training as a method for evaluation of brain systems for language(Joint Conference on Language Evolution (JCoLE))
4. 2022/09/05 Factors affecting joining others' conversation(Workshop on Constructive approaches to co-creative communication in Joint Conference on Language Evolution)
5. 2022/03/04 脳波位相同期値による感情状態弁別のための機械学習手法の検討(電子情報通信学会 MEとバイオサイバネティックス研究会, ニューロコンピューティング研究会)
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■ 著書・論文歴
1. 2024/02 論文  グループ会話中の顔表情の特徴点データを用いた深層学習による会話参入意欲の自動推定 信学技報 123(408),25-30頁 (共著) 
2. 2023/09 論文  ヒューマン・マシン・データ共生科学研究センター 研究報告 京都産業大学先端科学技術研究所所報 22,37-69頁 (共著) 
3. 2023/06 論文  会話参入意欲の連続変化の定量測定に基づく適切な会話参入支援タイミングの検討 人工知能学会全国大会論文集 37,1-4頁 (共著) 
4. 2022/09 論文  Factors affecting joining others' conversation CCC in JCoLE - Workshop on Constructive approaches to co-creative communication in Joint Conference on Language Evolution pp.15-18 (共著) 
5. 2022/09 論文  Neurofeedback training as a method for evaluation of brain systems for language The Evolution of Language - Proceedings of the Joint Conference on Language Evolution (JCoLE) pp.566-568 (共著) 
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経歴
■ 学歴
1. 1997/04~2000/03 東北大学 医学系研究科 障害科学専攻 高次機能障害学 博士課程修了 博士(障害学)
2. 1995/04~1997/03 東北大学 医学系研究科 障害科学専攻 高次機能障害学 修士課程修了 障害学修士
3. 1993/04~1995/03 東北大学 工学研究科 資源工学専攻 地質情報工学 修士課程修了 工学修士
4. 1989/04~1993/03 東北大学 工学部 資源工学科 地質情報工学 卒業 工学士
■ 職歴
1. 2018/04~ 京都産業大学 情報理工学部 情報理工学科 教授
2. 2015/04~ 京都産業大学 先端情報学研究科 教授
3. 2015/04~2018/03 京都産業大学 コンピュータ理工学部 インテリジェントシステム学科 教授
4. 2015/04~ 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 動的脳イメージング研究室 連携研究員
5. 2012/03~2015/03 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 脳情報通信総合研究所 動的脳イメージング研究室 客員研究員
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■ 主要学科目
神経科学Ⅱ、ブレインマシンインタフェース、データ解析の基礎、人間情報処理特論
■ 所属学会
1. 2016/06~ 日本バーチャルリアリティ学会
2. 2017/01~ ∟ 香り・味と生体情報研究委員会 委員
3. 2005/10~ Society for Neuroscience
4. 1997/06~ Organization for Human Brain Mapping
5. 1997/06~ 日本神経科学学会
■ 資格・免許
1. 2003/10 Qualified user of functional magnetic resonance imaging experimental operation, Functional Imaging Laboratory, The Wellcome Centre for Human Neuroimaging, University College London
2. 2004/11 Certification for NUMARIS Software MRI Sequence Development, Siemens
その他
■ 研究課題・受託研究・科研費
1. 2023/04~2026/03  ヒューマン・マシン・データ共生環境の実現に向けた基盤科学研究 機関内共同研究 (キーワード:Society 5.0、ブレイン・マシン・インタフェース、スポーツトレーニング、拡張現実ランニング支援、ソーシャルビッグデータ、人工知能分析)
2. 2020/04~2023/03  ヒューマン・マシン・データ共生環境の実現に向けた基盤科学研究 機関内共同研究 (キーワード:Society 5.0、ブレイン・マシン・インタフェース、スポーツトレーニング、拡張現実ランニング支援、ソーシャルビッグデータ、人工知能分析)
3. 2020/04~2023/03  再帰的結合と身体性を基盤としたアブダクションによる他者意図推定の研究 基盤研究(B) (キーワード:意図推定、アブダクション、再帰的結合、Embodied Simulation、身体情動反応)
4. 2020/04~2022/03  実験記号論の拡張に基づく環境適合的言語構造の共進化過程の構成的検証 新学術領域研究(研究領域提案型・公募研究) (キーワード:記号列階層構造、意味と意図の重層表現、環境-言語インタラクション、構成論実験、字義的な意味、言外の意味、環境インタラクション、脳波)
5. 2018/04~2020/03  脳波デコーディングを用いた階層的コミュニケーションの構成的検証と制御 新学術領域研究(研究領域提案型・公募研究) (キーワード:実験記号論、記号列階層構造、字義的な意味、言外の意味、ミラーシステム、ブローカ野、脳波フィードバック訓練、脳情報モデル検証、脳情報フィードバック訓練、因果効果、モデル検証、接地、脱接地、脳波、状態弁別、機能変調、記憶に基づく将来展望)
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■ 講師・講演
1. 2023/01/26 人間と情報環境が共生する社会へ(京都府立菟道高等学校, 宇治, 京都)
2. 2022/09/25 人間の情報を理解し、活用する社会~人間と情報環境の調和的な共生を目指して(ZOOMビデオウェビナー)
3. 2020/01/24 Connotation embedded in hierarchical structures of symbol strings - Extension of experimental semiotics approach -(Beppu, Oita)
4. 2018/05/23 Approach to Symbol Grounding problem and intention sharing: Analysis of EEG's phase synchrony network in symbolic communication task(Kitakyushu, Fukuoka)
5. 2017/09/15 Interacting with information in the brain(Kyoto)
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■ 委員会・協会等
1. 2020/05/21~ Frontiers in Neuroscience Review Editor on the Editorial Board of Neural Technology
2. 2017/01/01~ 日本バーチャルリアリティ学会 香り・味と生体情報研究委員会 委員
3. 2010/12/01~2012/11/30 独立行政法人 日本学術振興会 科学研究費委員会 専門委員(認知科学)
4. 2010/04/01~2019/03/31 国際ニューロインフォマティクス統合機構 日本ノード (INCF Japn Node) ニューロイメージング・プラットフォーム (NIMG-PF) 委員会 幹事
5. 2008/05/01~2019/03/31 国際ニューロインフォマティクス統合機構 日本ノード (INCF Japn Node) ダイナミックブレイン・プラットフォーム (DBPF) 委員会 委員
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■ 受賞学術賞
1. 2014/03 第6回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2014) 学生プレゼンテーション賞 (脳波分析による意図および気分抽出に基づく制御システムの提案)
2. 2013/03 第5回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2013) 優秀インタラクティブ賞 (携帯型端末を用いた脳情報に基づく情報推薦システムの提案)
3. 2013/03 第5回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム(DEIM2013) 学生プレゼンテーション賞 (携帯型端末を用いた脳情報に基づく情報推薦システムの提案)
4. 2012/12 独立行政法人 日本学術振興会 科学研究費助成事業 平成24年度審査委員表彰
■ 現在の専門分野
基盤脳科学, 知能情報学, 認知科学 (キーワード:認知神経科学 脳認知情報処理 非侵襲脳イメージング) 
■ 担当経験のある科目
1. 社会経済特別講義Ⅲ「脳と社会」(筑波大学 理工学群 社会工学類)