研究キーワード:民法 消費者法
    (最終更新日:2023-12-10 14:57:11)
  ウエノ タツヤ   UENO TATSUYA
  上野 達也
   所属   京都産業大学  法学部 法律学科
   職種   准教授
業績
■ 著書・論文歴
1. 2019/10 その他  事情変更の法理(2・完)――債権法改正立法資料集成(4) 民商法雑誌 155(4),213-242頁 (単著) 
2. 2019/08 その他  事情変更の法理(1)――債権法改正立法資料集成(4) 民商法雑誌 155(3),189-242頁 (単著) 
3. 2017 論文  和解契約における契約目的
――民法(債権関係)改正をめぐる議論を契機として―― 産大法学 50(3=4),117-138頁 (単著) 
4. 2015 論文  条件成就と債務不履行――民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案を契機として 産大法学 48(3=4),32-49頁 (単著) 
5. 2014 論文  敷引特約と消費者契約法10条 民商法雑誌 149(6),640-648頁 (単著) 
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経歴
■ 職歴
1. 2012/04~ 京都産業大学 法学部 法律学科 准教授
■ 教育上の能力
●作成した教科書、教材
1. 2023/02 「約款中の責任制限条項の第三者に対する効力」窪田充見・森田宏樹編『民法判例百選II債権〔第9版〕』(有斐閣・2023年)74頁
2. 2022/08 「共用部分の不具合と区分所有者に対する契約不適合」山野目章夫・佐久間毅・熊谷則一偏『マンション判例百選』(有斐閣、2022年)32頁
3. 2022/03 「動機(法律行為の基礎とした事情)についての錯誤」松本恒雄・潮見佳男・下村信江編『判例プラクティス民法I総則・物権〔第2版〕』(信山社、2022年)108頁
4. 2018/04 「和解の確定効と錯誤の主張の可否」潮見佳男・山野目章夫・山本敬三・窪田充見編著『新・判例ハンドブック 債権法Ⅱ』(日本評論社・2018年)162頁
5. 2018/04 「損害賠償請求権を放棄する示談と後遺症」潮見佳男・山野目章夫・山本敬三・窪田充見編著『新・判例ハンドブック 債権法Ⅱ』(日本評論社・2018年)163頁
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■ 所属学会
1. 日本私法学会
その他
■ 現在の専門分野
民事法学 (キーワード:民法 消費者法) 
科研
■ 研究概要
◆研究課題
消費者法の展開により生じる民商法体系再編の可能性と必要性の検討

◆研究概要
 わが国の法システムの原型は、近代法と呼ばれる法システムに求められる。近代法とは、政治的には近代市民社会の成立を前提としつつ、その経済的基盤である近代的資本主義体制を維持するため、資本主義体制の中核に位置する市場機構の基本的枠組を整備し保障する機能を担うものである。そこでは、商品交換に関する公正なルールを用意するという機能を果たすため、「人格の対等性」・「所有権の絶対性」・「契約の自由」・「過失責任の原則」が基本原理とされる。そして自由主義的な立場から、国家の介入はできるだけ制限され、各人の独立した自由な経済活動が最大限尊重される。
 この近代法システムは、その後、現代法と呼ばれる法システムに転換することとなる。すなわち、社会的・経済的弱者の地位に甘んじざるをえない当事者が存在するなど、「人格の対等性」が現実には妥当しない事態、経済力の集中により市場の自己調節能力が機能せず、自由競争が妨げられる事態に対処するため、国家が積極的に社会経済秩序の維持に介入することとなる。
 こうした現代法システムの展開において、国家が社会経済秩序へ介入するに際する、その介入の理念ともいえる政策判断には、二つの対立する視点を見ることができる。一つは、資源配分法ないし介入主義的法の増大という現象において見られる、産業育成・促進政策と福祉国家政策の視点である。もう一つは、近時の規制緩和の現象において見られる、市場主義的経済政策の視点である。
 この二つの視点にもとづく政策は、上述の近代法システムの基本原理とどのように整合的に捉えられうるのか、あるいはどのように衝突するのか。また、この二つの政策の視点以外に、他の新たな視点(例えば、国家ではなく地域コミュニティを主体とした政策決定という視点、あるいは共同体に内在する規範を重視する共同体原理の視点など、国家対個人という図式にとらわれない視点)を入れる必要があるのではないか。
 これが、研究の出発点たる問題意識であり、研究の対象である。