ナカミチ アキカ   NAKAMICHI AKIKA
  中道 晶香
   所属   京都産業大学  共通教育推進機構
   職種   教授
発表年月日 2024/09/17
発表テーマ 音楽と物理の長周期ゆらぎ
会議名 日本物理学会 第79回年次大会(2024年)
主催者 日本物理学会
学会区分 全国学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 共同
国名 日本
開催地名 北海道大学
開催期間 2024/09/16~2024/09/19
発表者・共同発表者 中道晶香, 森川雅博
概要 超長周期ゆらぎが音楽をはじめ自然界に偏在し,1/f ゆらぎと呼ばれ,そのパワースペクトル密
度(PSD) が周波数にほぼ反比例する特徴を持つ.我々は,1/f ゆらぎの起源は「集積していく周
波数を持つ多数の波のうなり」と提案した;振幅変調である.その周波数集積機構として,同期
や共鳴もを提案した.そして地震や太陽フレアなどでこの提案を検証してきた.
本研究では特に音楽に特化して,1/f ゆらぎ起源に対する我々の振幅変調説を検証していく.
【同期】オーケストラのユニゾンでは,多数の同一楽器が周波数をそろえようとする.これは,
確率蔵本モデルで記述できる.決定論的な蔵本モデルでは,多数の位相がお互いに揃おうとして
運動するが,完全に同期して終了する.集積した位相は,同期をリセットすると,同期に向かっ
ていく運動がずっと続く.これが継続する同期を生み1/f ゆらぎを与える.
【共鳴】一方,ソプラノ独唱やバイオリン独奏など,音が単一系の場合も1/f ゆらぎを示す.こ
れは,歌手の上体,楽器やホールが共鳴しているモデルで記述できる.本研究では直方体のホー
ルが持つ多数の固有振動を中心に共鳴によって集中する振動数を持った波を足し合わせてその検
証を進めた.
同期・共鳴いずれも1/f ゆらぎのPSD を導きうる.
最後に,音のゆらぎの指標として,PSD だけでなく,生物の空間分布などにみられるテイラー
の法則や,周波数変調,零点解析なども考え併せ,また,付加的サウンド効果によって,より1/f
ゆらぎに近づくという現象を含めて,1/f ゆらぎの起源に対する振幅変調説を更に検証していく.