ナカムラ ノブヒロ
NAKAMURA NOBUHIRO
中村 暢宏 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 教授 |
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発表年月日 | 2024/11/29 |
発表テーマ | YIPFα1A3'UTRのpolyA付加部位の同定とその機能 |
会議名 | 第47回日本分子生物学会年会 |
主催者 | 日本分子生物学会 |
学会区分 | 全国学会 |
発表形式 | ポスター |
単独共同区分 | 共同 |
国名 | 日本 |
開催地名 | 福岡 |
開催期間 | 2024/11/26~2024/11/29 |
発表者・共同発表者 | 山本 隆誠、中村暢宏 |
概要 | YIPFタンパク質はゴルジ体周辺に局在する5回膜貫通タンパク質である。αとβのサブユニットからなる二量体を形成するが,サブユニットの構成と局在が異なる3種類の複合体がある。酵母YIPFホモログであるYip1p/Yif1pの複合体はYpt1/Rabと相互作用して,小胞体-ゴルジ体間の輸送小胞の形成と融合に必須であることが報告されているが,哺乳類ではYIPFのRabとの相互作用は確認できていない。これまでに,YIPFのαサブユニットは発現量が顕著に低いこと,また,そのmRNAは長い 3'UTRを持つことが明らかとなっている。また,YIPFα1Aの翻訳領域に3'UTR付加すると,翻訳領域のみと比較してタンパク質発現量とmRNA発現量が顕著に増加することが明らかになった(高司時生,第45回,日本分子生物学会大会発表)。HEK293細胞とHeLa細胞のmRNAサイズを確認したところ,2.0kbと3.2kbの2種のサイズのmRNAが発現しており,YIPFα1Aの翻訳領域に3'UTR全長(2,230b)を付加してHEK293細胞に外来性に発現させた場合も,3.4kbと2.3kbの2種のサイズのmRNAが検出された。本研究では,これら2種の転写産物の機能的差異を探索するため,polyA付加部位としての機能が予測される配列に変異を導入し,mRNAサイズの変化を解析してpolyA付加部位の同定を行なった。候補部位5箇所のpolyA付加コア配列A[A/U]UAAAをA[A/U]UAAGに変異させ,HEK293細胞で発現させたところ,3'UTR中央付近(1124)のpolyA付加コア配列の変異のみにより2.3kbの産物が消失したことから,この部位が2.3kbの産物の生成に用いられるpolyA付加であることが明らかになった。一方,野生型と,polyA付加部位破壊変異体からのタンパク質発現量に有意な差は認められなかった。従って,HEK293細胞においては2種の転写産物の間で大きな機能的差異はないことが示唆された。 |