ハマノ ツヨシ   HAMANO TSUYOSHI
  濱野 強
   所属   京都産業大学  現代社会学部 健康スポーツ社会学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2017
形態種別 その他
査読 査読あり
標題 ソーシャル・キャピタルと産後うつ有病率との関連―都道府県単位の生態学的研究―
執筆形態 その他
掲載誌名 厚生の指標
出版社・発行元 (一財)厚生労働統計協会
巻・号・頁 64(11),21-27頁
著者・共著者 榊原文,濱野強,篠原亮次,秋山有佳,中山昭生,山縣然太朗,尾﨑米厚
概要 目的 平成24年の「地域保健対策の推進に関する基本的な指針」の改正で,ソーシャル・キャピタル(SC)の醸成と活用によって地域で親子を見守る社会の構築が明確に位置づけられた。「健やか親子21(第2次)」では「子どもの健やかな成長を見守り育む地域づくり」が基盤課題として示された。このようにSCを生かした子育ての意義が認識されつつある一方,SCが子育てのどのような状況に有益な影響を及ぼすのかは,いまだ定量的な知見が十分に示されていない。そこで本研究では,産後うつ有病率に着目し,SCとの関係を都道府県単位の生態学的研究により明らかにすることを目的とした。方法 各都道府県のSCは,平成19年に日本総合研究所がWeb方式で行った全国アンケート調査結果を用いて,一般的な信頼度,地縁的な活動への参加状況,スポーツ・趣味・娯楽活動への参加状況をSC指標として選定した。産後うつ有病率は,平成25年に「健やか親子21」の最終評価を目的として全国の自治体を対象に実施された調査結果に基づき,エジンバラ産後うつ質問票9点以上の割合を用いた。各都道府県のSC指標を独立変数,産後うつ有病率を従属変数として,産後うつ有病率を第3四分位数9.93%に基づき2値に分類し,ロジスティック回帰分析を行った。共変量として,母の出産平均年齢,6歳未満の世帯員のいる世帯の母子世帯割合,20歳以上喫煙率,進学率,帝王切開実施率,多胎出生割合,2,500g以下出生割合,25〜44歳の育児をしている女性の有業率を用いた。結果 単変量ロジスティック回帰分析の結果,スポーツ・趣味・娯楽活動への参加状況と産後うつ有病率との間には統計学的に有意な関連を認めた(オッズ比=0.45,95%信頼区間(0.21-0.98),p=0.045)が,一般的な信頼度,および地縁的な活動への参加状況は,同様の結果を認めなかった。多重ロジスティック回帰分析の結果も同様であった。結論 スポーツ・趣味・娯楽活動といった目的志向の活動への参加が良好な都道府県では,産後うつ有病率が低いことが示された。スポーツ・趣味・娯楽活動は,インフォーマルな地域活動の活発さを示していると考えられ,地域活動を通じた交流が子育て相談の機会にもなることから,産後うつ有病率に関連したのではないかと推察した。(著者抄録)
ISSN 0452-6104
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