オダ ヒデノリ
ODA HIDENORI
小田 秀典 所属 京都産業大学 経済学部 経済学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2006/05/15 |
形態種別 | その他 |
標題 | ネットワーク外部性をともなう市場における情報非対称性と購買行動 |
執筆形態 | その他 |
掲載誌名 | 情報処理学会論文誌 |
出版社・発行元 | 一般社団法人情報処理学会 |
巻・号・頁 | 47(5),1473-1482頁 |
著者・共著者 | 金子 陽平,西野 成昭,小田宗兵衛,上田 完次 |
概要 | 近年,情報通信技術の発達にともない,ネットワーク外部性をともなう製品市場はますます拡大する傾向にある.消費者がネットワーク外部性をともなう製品を購入する際に,市場全体,もしくは消費者の近傍での製品の使用状況はその意思決定に大きな影響を及ぼすが,消費者が製品に関するあらゆる情報を取得することは難しく,その影響として製品に関する情報は消費者間で異なっているといえる.しかし,ネットワーク外部性に関する既存研究では,消費者が持つ情報が完全であることを前提としているものが多く,消費者の現実的な購買行動を明らかにするには不十分であるといえる.本研究では,近傍での製品の使用状況を消費者により異なる範囲で与えることで,情報の非対称性を導入し,複数種類の製品と嗜好が異なる複数の消費者が存在するネットワーク外部性をともなう製品市場のモデルを構築した.ゲーム理論による均衡分析,消費者個人をエージェントとしたマルチエージェントシステムによる計算機実験,実験経済学をもとにした被験者実験を統合的に用いることで,購買意思決定の分析を行った.結果として,市場全体については,他の消費者がどのように行動するかが分からないために市場が非効率になること,消費者が自分の嗜好とは異なる製品を購入することで1 種類の製品が市場を独占すること,非合理的な消費者が市場全体の総余剰を高める可能性があることが分かった.また消費者個人については,情報を多く持つ消費者の効用が必ずしも高くならないことを明らかにした.Product markets with network externalities have been growing through information technology development. Though information of product share has large effects on decision making when consumers purchase products with network externalities, it is difficult for consumers to obtain complete information about products. Accordingly, you can say that information consumers have is asymmetric. Complete information is, however, assumed in most researches about network externalities. In this paper, we develop a market model in which two kinds of products exist and network externalities are present. In this model, it is assumed that each consumer has different information with respect to others' purchase behavior. We analyze purchase behavior with game theory, multi-agent simulation and experiments with human subjects, and we found some important features as following: (1) market becomes inefficient because of incomplete information, (2) some consumers purchasing opposite products to their preferences leads a monopolistic market, (3) a consumer's irrational behavior might increase total surplus, and (4) even if consumers have more information, they do not always obtain more utility. |
ISSN | 1882-7764 |
NAID | 110004720710 |
PermalinkURL | http://id.ndl.go.jp/bib/7957261 |
researchmap用URL | http://id.nii.ac.jp/1001/00010299/ |