シン ジエ
CEN ZHIWEI
岑 智偉 所属 京都産業大学 経済学部 経済学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/03 |
形態種別 | 研究論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | カタストロフィー的な国際関係を避けられるのか? |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『京都産業大学世界問題研究所紀要』 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 京都産業大学世界問題研究所 |
巻・号・頁 | 39,1-31頁 |
総ページ数 | 31 |
原著者 | 岑智偉 |
概要 | 2000 年以降、日中間の経済関係は益々緊密になってきた。ゼロサム論から見れば、日 中経済関係はゼロサム的な関係ではなく、補完的的な関係であることは明らかである。 しかしその一方、両国の政治関係は益々緊張的なものとなり、正にゼロサム的な関係と なりつつある。その典型的な例は、最近の日本「処理水太平洋排出」を巡り両国間の政 治と外交関係が急に悪化していることである。この現象は 2013 年の両国間の政治と外 交関係の悪化とよく似ている。日中両国間の政治と外交関係はこれまで例を見ない緊張 感を極めている。この現象は数理モデルのカタストロフィー(Catastrophe)現象とよく 似ている。本論文は吉田(1996)の国際関係のカタストロフィーモデルを用いて、2013 年の経験を踏まえながら、日中間の緊張関係状態に至るプロセスとその結果を解析し、 日中関係がカタストロフィーに陥った要因について検討した。
本論文では、日中関係がカタストロフィーに陥った主な要因として、長年の両国間の パーセプション・ギャップ(perception gap)の存在とアメリカというファクターの存在 にあると考えている。日中間の緊張状態を改善するには、まず、両国の関係がカタスト ロフィーに陥った原因、すなわち、両国の関係を悪い方向に導いた要因を早急に解明し、 それらを改善していくと共に、日中間の非ゼロサム的な経済関係を最大限に活用してい くことである。 |