イカザキ ヤスエ   IKAZAKI YASUE
  伊ヶ崎 泰枝
   所属   京都産業大学  外国語学部 ヨーロッパ言語学科
   職種   准教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2022/03
形態種別 研究論文
査読 査読あり
標題 サルトルとボーヴォワール、二つのエクリチュールにおけるコサキエヴィッチ姉妹の果たした役割について
執筆形態 単著
掲載誌名 京都産業大学論集
掲載区分国内
出版社・発行元 京都産業大学
巻・号・頁 (55),119-132頁
総ページ数 14
概要 ジャン=ポール・サルトルとシモーヌ・ド・ボーヴォワールは、しばしば周囲の人々をモデルにして小説の中で描いている。なかでも、オルガ・コサキエヴィッチと妹のワンダ・コサキエヴィッチは、二人の作品に最もインスピレーションを与えた人物である。サルトル、ボーヴォワール、オルガの3人は、1930年代に慣習に支配されない新しい関係としてのトリオを試みるが、失敗に終わった。サルトルの小説『自由への道』のイヴィック、ボーヴォワールの小説『招かれた女』のグザヴィエールは、オルガをモデルにしており、怠惰、気まぐれ、激しさ、反抗といった性質を通して若さそのものを象徴している。しかし、怒りっぽさ、攻撃性といった、姉よりも激しい妹ワンダの性質も使われている。イヴィックとグザヴィエールという人物像の、共通点と違いに着目することで、サルトルとボーヴォワールのそれぞれの想像力や芸術的判断が照らし出される。