ヒラツカ トオル   HIRATSUKA TOHRU
  平塚 徹
   所属   京都産業大学  外国語学部 ヨーロッパ言語学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2025/03
形態種別 研究論文
査読 査読あり
標題 夢を見ることを表す表現の類型論
執筆形態 単著
掲載誌名 京都産業大学論集 人文科学系列
掲載区分国内
巻・号・頁 58,41-65頁
総ページ数 25
著者・共著者 平塚 徹
概要 本稿は,夢を見ることを表す表現の類型を明らかにする。当該の表現についての類型論的研究はこれまでなかった。主要な類型として以下の三つが認められた。
(i)動詞で表される場合:この類型では,夢を見ることが動詞として語彙化されている。ヨーロッパやポリネシアで多く見られるが,その他の地域にも点在している。同族目的語を取る場合もあり,同族目的語を取るのが通常である言語もある。
(ii)軽動詞が用いられる場合:この類型では,軽動詞が夢を表す名詞を目的語として取る。この類型はあまり多くないが,異なる地域で見られる。いくつかのヨーロッパの言語では,夢を見ることを表すために所有動詞が使われているが,地域的な特徴と考えられる。
(iii)視覚動詞:この類型では,「夢」を表す名詞と視覚動詞が用いられる。西南アジア,中央アジア,南アジアに多く分布し,東ヨーロッパや東南アジアにも見られる。
 この他にも稀なケースを幾つか見た。夢を見ることを表す表現は次の3 つの主要な要因によって動機づけられていると考えられる。(a)夢は夢を見るという事象と独立には存在しない。(b)夢はしばしば視覚像として捉えられる。(c)夢を見ることにおける夢を見るものの意図性は低い。

キーワード:夢を見る,類型論,語彙化,軽動詞,視覚動詞