ヤマガミ ヒロシ   YAMAGAMI HIROSHI
  山上 浩志
   所属   京都産業大学  理学部 物理科学科
   職種   教授
研究期間 2008~2012
研究課題 価数不安定性をもつアクチノイド化合物に特有の新奇量子状態の研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(S)
研究機関 名古屋大学
科研費研究課題番号 20224015
研究者・共同研究者 佐藤 憲昭,網塚 浩,山村 朝雄,芳賀 芳範,四竈 樹男,阿曽 尚文,神戸 振作,本間 佳哉,藤森 伸一,山上 浩志
概要 本研究課題の最大の目的は、国際規制物資であるウランなどのアクチノイド元素^<*1>を含む化合物の物性研究を行うための拠点を東北大学金属材料研究所アルファ放射体実験室に形成することである。 この目的のために、 単結晶育成^<*2>のためのテトラアーク炉、および育成された試料の基礎物性を評価するための分析装置を金研アルファ放射体実験室に設置・導入した。その結果、 "超伝導を示す磁石"^<*3>における超伝導発現機構の解明に成功を収めた。さらに、アクチノイド元素だけでなく希土類元素^<*4>を含む物質にも研究を展開し、準結晶^<*5>を含む新分野の開拓に貢献した。[*1] ウランなどは国際規制物資として管理され、その取り扱いには厳しい制限が付されている。金研アルファ放射体実験室は、このような国際規制物資を取り扱うことが許可された施設である。 また、 そこには、 アクチノイド元素(周期表で最下段に位置する元素の集合で、トリウム、ウラン、ネプツニウムなどから成る)を安全にハンドルするための多くの装置と経験が蓄積されている。[*2] 目に見える大きさのスケールまで原子が規則正しく配列した結晶を単結晶と呼ぶ。[*3] 従来の物理学では、磁石と超伝導は犬猿の仲であり、磁石は超伝導にはならないと考えられてきた。しかしアクチノイド化合物の中には、磁石でありながら超伝導を示すものがある。磁石が何故超伝導を示すかという問題は、物理学上の重要な課題の 1 つとなっている。[*4] 周期表でアクチノイドの上段に位置する元素の集合で、アクチノイドと類似の性質を示す。[*5] 周期性を持たず、結晶では許されない回転対称性を持つ物質を準結晶と呼ぶ。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/file/KAKENHI-PROJECT-20224015/20224015hyoka.pdf