タカハタ ジュンコ   TAKAHATA JUNKO
  高畠 淳子
   所属   京都産業大学  法学部 法律学科
   職種   教授
研究期間 2012~2013
研究課題 「社会保険料免除の意義」
実施形態 個人研究
代表分担区分 研究代表者
概要 本稿は、老齢年金における社会保険料の「免除」に着目し、給付と拠出の関係、保険料拠出の意義を検討するものである。国民年金と厚生年金では趣旨の異なる免除制度が設けられ、それぞれ給付に与える影響は4段階に整理できること、その違いは、老齢というリスク発生の確実性に求められ、それゆえ被保険者集団の利益としての公平性が重要となること、その公平性を担保するには拠出原則に依拠した給付内容とする必要があること、拠出原則に基づかずに給付を保障するには、要保障性が高いこととは別の理由付けが必要であることを示した。また、出産・育児には次世代育成をすることで年金制度や社会保障制度の維持存続に貢献するという意義があるため、年金保険料の免除と高い水準の保障が肯定されること、介護には次世代育成の要素はないものの、稼得労働に匹敵しうる社会的に有用な活動と評価しえ、対象者の確定などを慎重に行えば年金制度上育児と同様に評価しうるとの結論に達した。