ウチダ ケンイチ   UCHIDA KENICHI
  内田 健一
   所属   京都産業大学  外国語学部 ヨーロッパ言語学科
   職種   准教授
研究期間 2019~2020
研究課題 イタリアの「文学的表現」――ダンヌンツィオの『讃歌』を中心に
実施形態 その他の補助金・助成金
研究機関 京都産業大学
代表分担区分 研究代表者
概要 イタリア文学はイタリアの国家と国民を形成するうえで、極めて重要な役割を果たした。オーストリアのメッテルニヒはイタリアを「地理的表現」と定義したが、イタリア統一期の詩人カルドゥッチはそれを「文学的表現」と改めた。イタリアをテーマとする文学の原点には中世のダンテ『神曲』とペトラルカ『カンツォニエーレ』がある。それ以降、ルネサンス期から近代に至るまで多くの文学者が、イタリアをテーマとする作品を書いた。そして、イタリアが統一し、20世紀の大衆社会へと向かう中で、イタリアを最も影響力のある形で表現したのはダンヌンツィオであった。ムッソリーニのファシズムに先立って、国家の実質的な統一に果たした彼の役割は極めて大きかったと考えられる。そのような彼の代表的詩集『空と海と陸と英雄の讃歌』(1903-04)における、「イタリアの文学的表現」の特徴を明らかにすることが、本研究の目的である。