カワネ コウキ   KAWANE KOKI
  川根 公樹
   所属   京都産業大学  生命科学部 先端生命科学科
   職種   准教授
研究課題 アポトーシスの分子機構
実施形態
概要 本研究は、腸管の恒常性の理解を目的とし、この問題に、腸管上皮のターンオーバーにおける細胞死 (細胞脱落) 及び腸管でのDNA分解の二つの独自の視点から迫るものである。細胞脱落は、上皮細胞がその終焉を迎える際に組織から剥離、離脱する現象である。アポトーシスともネクローシスとも異なる未解明の細胞終焉様式であることに加え、隣接細胞との相互作用によって実行される、細胞社会における細胞死であることが特徴である。一方、腸管でのDNA分解は死細胞のDNAのみならず腸内細菌や食物由来のDNAなど対象が多岐に及ぶ。理解が遅れているこれら腸管での細胞死に関連する現象の分子機構と、腸管の恒常性に果たす役割を明らかにし、その破綻との関連が予想される癌、炎症疾患、感染などの治療法開発へ新たな一面から道を拓くことを目指す。 この目的のため、腸管における細胞脱落及びDNA分解の分子機構を、マウス及びショウジョウバエの腸上皮や培養腸組織 (オルガノイド)を用いてまず明らかにし、続いて脱落やDNA分解の異常を来すマウスの解析へと研究を進める。