ササキキュウ   SASAKI Kyu
  佐々木 究
   所属   京都産業大学  現代社会学部 健康スポーツ社会学科
   職種   教授
研究期間 2020/04/01~2025/03/31
研究課題 AIテクノロジーとeスポーツによるスポーツ概念の拡張と境界についての現象学的研究
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
研究機関 広島大学
科研費研究課題番号 20K11388
研究者・共同研究者 木庭 康樹,田井 健太郎,佐々木 究,柴沼 真,高根 信吾
概要 令和2年度は、コロナウィルス感染拡大のため、研究実施計画で予定していた海外調査を実施することはできず、国内研究会も分担者全員で開催することはできなかった。ただし、令和2年12月に城西大学において、研究代表者と分担者1名を中心に研究の進捗状況の報告と今後の研究計画の変更について意見交換を行い、海外のトップレベルのスポーツのテクノロジー導入について発表を実施した。とくに、スポーツのテクノロジー導入に関しては、ヨーロッパのビッグクラブであるACミランのラボによる数値化と、その対極にある戦術的ピリオダイゼーションやエコロジカルトレーニングなどが比較対象として提起された。また、本年度の研究成果により、スポーツでは、身体・操作・戦術・心理の卓越性が競われているのに対して、eスポーツでは操作・戦術・心理の卓越性が競われていることが明らかとなった。eスポーツの代理行為者が仮想空間内で競い合うため、速さや強さ、大きさ、美しさといったような身体の卓越性は、eスポーツでは競われておらず、このことが、スポーツとeスポーツの差異であることが、本研究のスタート地点であることが示された。eスポーツでは、競技者の身体の可能性の展開が目指されておらず、また、代理行為者は「生きた身体」を持っていないため、速さや強さ、美しさのような身体の卓越性が競われることはない。プレイヤーの視点や受け取る情報が、ゲーム開発者に規定されているため、「間合い」が存在しないという特徴も明らかにされた。なお、書籍の購入や有料放送からの映像データの収集などは、今後の研究のために進めていくことができている。