テラチ トオル
TERACHI TORU
寺地 徹 所属 京都産業大学 生命科学部 産業生命科学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2020/04/01~2024/03/31 |
研究課題 | psbA欠失変異体の相補を利用したマーカーフリーな葉緑体の遺伝子組換え植物の作出 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(B) |
研究機関 | 京都産業大学 |
研究者・共同研究者 | 寺地 徹,桶川 友季,木村 成介,山岸 博 |
概要 | 高等植物で葉緑体の組換え体を得るためには、通常、組換え体を選抜するマーカー遺伝子を用いる。マーカー遺伝子の多くは細菌由来の抗生物質耐性遺伝子であり、葉緑体の組換え技術を野菜などの作物へ応用する際には、耐性遺伝子に対して消費者が良いイメージを持たず、作出された組換え作物に不安を抱くことが懸念される。そこで近年、耐性遺伝子を使わずに組換え体を選抜する「マーカーフリー」な組換え方法の開発が求められている。 当研究室では、栽培タバコ(Nicotiana tabacum cv. SR1)を用いて葉緑体の組換え系統を多数作出してきた。その中には、自律複製能力のある葉緑体DNA断片を持つプラスミドを葉緑体に導入して得た系統があるが、#3-2と呼ぶ系統では、導入したプラスミドよりはるかに大きなプラスミドが保持されていることがわかっている。また、この系統の自殖第2代は、若い葉は緑色で生えてくるが、葉が発達して古くなるにつれ白色化してアルビノになるという、特徴的な表現型を示す。このアルビノタバコを次世代シークエンシングにより解析したところ、葉緑体ゲノム上にあるpsbAのコード領域が欠失していることが明らかとなった。 本研究は、このアルビノタバコを材料に、psbAを相補することで白色の葉から緑色の形質転換体を作出することが可能か、またこの現象を利用して抗生物質を使用せずに組換え体を選抜できないかを検討することを目的としている。そのため今年度は、psbAを欠失しているアルビノタバコ(#3-2 T2)の特徴づけを昨年に引き続き行うとともに、psbAをアルビノタバコの葉に導入するために用いる葉緑体形質転換プラスミドの構築を行った。また、構築したプラスミドのDNAを、パーティクルボンバードメント法によりアルビノタバコの葉へ実際に射出し、緑色の組換え体が得られるか調査した。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H02961 |