ナカムラ ノブヒロ
NAKAMURA NOBUHIRO
中村 暢宏 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 教授 |
|
研究期間 | 2006~2007 |
研究課題 | 細胞増殖の調節におけるゴルジ体の役割の解明 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
研究機関 | 金沢大学 |
研究者・共同研究者 | 中村 暢宏 |
概要 | 細胞分裂期のゴルジ体の分散とpS277の増加は細胞分裂開始時に同じタイミングで起こるが、細胞分裂終了時のゴルジ体の再形成とpS277の脱リン酸化は同時ではなく、再形成し始めたゴルジ体上にpS77が残っていた。したがってGRASP65の脱リン酸化は、ある程度小胞が融合した後に起こるものと考えられた。細胞質型GRASP65タンパク質を微細注入すると、ヒストンH3のリン酸化が抑制された。AuroraBがヒストンH3をリン酸化することから、GRASP65がAuroraBの活性の制御に関わる可能性が示唆された。中心体の分離機構に影響はみられなかった。中心体の分離機構にはリン酸化酵素であるNek2がはたらいている。Nek2をはじめとする中心体分離機構にはGRASP65は影響しないことが示唆された。Plk1は細胞分裂期にCdk1-cyclinBとともにGRASP65をリン酸化することが報告されている。本研究では分裂期細胞質でS277がリン酸化されたGRASP65タンパク質がPlk1FLやPBDに結合することが明らかとなった。S277のリン酸化を認識して結合したPlk1はGRASP65をさらにリン酸化することや、その周囲にあるゴルジ体局在タンパク質のリン酸化にはたらくことが予想される。GRASP65をはじめとするゴルジ体局在タンパク質のリン酸化が細胞分裂の進行を制御するシグナルとしてはたらいているとすれば、細胞分裂期に起こるゴルジ体の分散はゴルジ体の成分を娘細胞に均等に分配するための受動的な役割だけでなく、リン酸化シグナルを細胞全体に広げ細胞分裂を制御するための能動的な役割を持つと推測される。 |
PermalinkURL | https://researchmap.jp/nnosaru3/awards/1908924 |