ヤマナカ チエ
YAMANAKA CHIE
山中 千恵 所属 京都産業大学 現代社会学部 現代社会学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2019/04~2022/03 |
研究課題 | マンガ-舞台芸術間のアダプテーション分析とその理論化 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
科研費研究課題番号 | 19K00262 |
研究者・共同研究者 | 秦 美香子,西原 麻里,増田 のぞみ,山中 千恵 |
概要 | 本研究の問いは、舞台表現とマンガ表現の間で翻案が行われるとき、(1)時間・空間・身体がどのように再現され、または変換されるのか、(2)表現方法の変換によって、イデオロギーはどのように維持され、または変化するのか、ということである。 2020年度は、主に高橋よしひろ「銀牙--流れ星 銀」について漫画と舞台を比較し、(1)については、人間が犬を演じなければならないという身体的な条件の下で、人間と犬の間で生じる絆という作品の焦点は必然的に変更を迫られざるをえないということを、関連資料の言説や出演者への聞き取り調査も参照しながら分析した。 また、とくに連載期間が長期に及ぶ場合に、本筋から少し離れたエピソードが語られることも一般的である、つまり複線的に物語が展開していく漫画に対して、一定の時間で作品が完結することを求められる舞台では、物語の骨子を十分に観客に伝えるために物語展開が単線的にならざるを得ないことを確認したうえで、そのような制約によって作品のテーマ自体も変更をせまられるという点を分析した。 (2)については、演じ手のアイデンティティや、演技を離れた部分で展開される俳優自身のプロモーション戦略との兼ね合いから、作品の中でジェンダーが可変的に表現されていても、それは再現されずに省略されてしまうという点について分析した。 以上により、翻案過程ではメディアの特性に合わせて作品の詳細部分は必然的に変更され、それによって作品の核となる部分を抽出した翻案が目指されるが、その過程が不可避的に作品の核自体を変更させるということを考察した。 |