エンドウ トシヤ
ENDO TOSHIYA
遠藤 斗志也 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 客員教授 |
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研究期間 | 2020/08/31~2025/03/31 |
研究課題 | ミトコンドリアの生合成と機能維持を担うタンパク質交通システムの分子基盤 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(S) |
研究機関 | 京都産業大学 |
研究者・共同研究者 | 遠藤 斗志也,田村 康 |
概要 | 本研究では、出芽酵母を中心にミトコンドリアの交通システムと品質管理システムについて、クライオ電子顕微鏡(EM)よる構造解析と構造に基づく生化学的・細胞生物学的解析を一気に進め、タンパク質の交通と品質管理に関する新たな原理を確立することをめざしている。今回は,ミトコンドリアの交通システムを構成する外膜のTOM複合体(ミトコンドリアへのタンパク質の搬入口として働く)とSAM複合体(外膜のβバレル型膜タンパク質の構造形成と外膜への組込みを担う)について,以下の結果を得た。 (1)TOM複合体は3分子のTom40を3分子のTom22が糊付けする形の3量体と、2分子のTom40から成りTom22を欠く2量体が動的平衡にあり,各々通過させる前駆体基質が異なる。この動的平衡は、外膜の小分子チャネルのポリンによって制御されると,われわれは考えている。今回、チャネル活性を保持するが2量体安定化機能に欠損のあるポリン変異体を取得,この変異体はミトコンドリアの呼吸活性には影響を与えない一方、TOM複合体の動的平衡には影響を与え、2量体の基質のミトコンドリアへの取り込みが阻害された。以上の結果からTOM複合体の基質特異性が3量体-2量体の動的平衡により制御されるというモデルが正しいことが証明された。 (2)ミトコンドリア外膜で働くSAM複合体の反応サイクルの様々な分子種について,クライオEM構造を決定し、生化学的解析と組み合わせることで,反応機構を明らかにすることに成功した。特に,基質のβバレル構造形成の機構が、細菌においてβバレル型膜タンパク質の構造形成と膜への組込みを担うBAM複合体の機構とは大きく異なることを明らかにした。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-20H05689 |