ヒグチ アリカ
Higuchi Arika
樋口 有理可 所属 京都産業大学 理学部 宇宙物理・気象学科 職種 准教授 |
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研究期間 | 2018/04/01~2021/03/31 |
研究課題 | 近地球小惑星の物理進化と力学進化を結合する観測的・数値的研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 基盤研究(C) |
研究機関 | 国立天文台 |
科研費研究課題番号 | 18K03730 |
研究者・共同研究者 | 伊藤 孝士,吉田 二美,樋口 有理可 |
概要 | 本年度は太陽系小天体の観測およびデータ処理の研究に主に注力した。特に近地球小惑星(3200) Phaethonの観測データが蓄積されており、その解析と物理的な解釈を行う作業に時間を掛けた。とりわけ以前に北海道名寄市に於いて取得されたこの天体の直線偏光度を詳細に測定したところ、この天体が50%以上という非常に強い直線偏光度を示すことが判明した。その要因には幾つかのものが考えられるが、いずれも近太陽小天体表面の物理進化と力学進化を結び付ける重要な鍵になる情報であり、本質的である。それについて論文を出版した。またメインベルト小惑星を含む太陽系小天体のサイズ頻度分布についてこれまで取得された観測データを詳しく比較検証した。その結果、近地球小天体から内側メインベルト・外側メインベルト・ヒルダ群・木星トロヤ群へと遠ざかるについてサイズ頻度分布が緩やかに変わり行くことを見出した。このことはかつて太陽系小天体の動径方向移動が大規模に発生したことを示す詳細である。これについても論文を執筆した。数値的な研究については次年度以降に行う大型シミュレーションの準備として計算コードの高速化に着手した。本高速化作業はだいぶ以前に書かれた汎用の重力N体問題計算についての長いソースコードを一行ずつ検証するもので、時間が掛かる。しかし効果は高く、現時点で既に+30%の高速化つまり実計算時間が70%程度へと縮減された。次年度もこれらの作業を継続する。 |