宇野 勝博
   所属   京都産業大学  理学部 数理科学科
   職種   客員教授
研究期間 1994~1994
研究課題 ブレイド群の表現論
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 一般研究(C)
研究機関 大阪大学
研究者・共同研究者 村上 順,和久井 道久,宇野 勝博,川中 宣明,横川 光司,宮西 正宜
概要 結び目の普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量と呼ばれる様々な不変量を含む不変量を3次元多様体の不変量に拡張した。3次元多様体の不変量を構成する一つの方法は、枠付きの絡み目の不変量から、カ-ビーム-ブと呼ばれる変形で不変なものを取り出すことである。我々はこの方法を普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量に対して適用した。そのために、まず、もともと結び目に対して定義されていた普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量を、枠付きの絡み目の不変量に拡張した。また、タングルに対しても拡張し、普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量の、組合せ論的構成法を与えた。この構成法を用いることにより、複雑な積分を計算することなく、代数的に普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量が計算できるようになった。さらに、普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量とカ-ビーム-ブとの関係を調べるため、普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量が、結び目などの紐の平行化に対してどうなるかを調べた。その結果普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量がカ-ビーム-ブについて大変よい性質を持つことがわかった。枠付き絡み目の普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量から、カ-ビーム-ブで不変なものを取り出したものが3次元多様体の不変量であるわけだが、このことを普遍バシリエフ・コンツェビッチ不変量の値の空間での性質に言い換えることができ、3次元多様体の不変量の構成法がわかった。この不変量は、ジョーンズ・ビッテン不変量を含むと共に、ホモロジー群の位数や、キャッソンの不変量を含むなど、大変普遍的な性質を持つ3次元多様体の不変量である。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-06640044