西田 喜平次
   所属   京都産業大学  経営学部 マネジメント学科
   職種   准教授
研究期間 2019/04~2022/03
研究課題 セミパラメトリック関数推定に基づく統計解析の新たな展開
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 基盤研究(C)
研究機関 千葉大学
科研費研究課題番号 19K11851
代表分担区分 研究分担者
研究者・共同研究者 内藤 貫太
概要 交付申請書に記載のように、2019年度からの3年間で3つのサブテーマを掲げ、それらの研究が糾う中で、関数推定の研究を更に太く推進する。2019年度は2つのサブテーマでの実績が得られた。 サブテーマ「様々な関数推定法の評価」における実績としては、高次元パターン認識で有効となる判別手法の構築とその理論的評価、そしてステージワイズ最小化による回帰関数推定の理論の構築が挙げられる。高次元パターン認識においては、カーネル・ナイーブ・ベイズ判別分析手法とその平滑化バージョンを構築・提案し、その高次元での漸近的結果を導出すると共に、様々な高次元小標本データへの適用を通して、その有効性を確認できた。また、ナイーブ・正準相関という判別手法に現れる固有根の高次元漸近理論を構築した。それを用いることで、誤判別率の見積もりが可能となった。ステージワイズ最小化という機械学習に基づく回帰分析アルゴリズムを提案・構築し、そのアルゴリズムで得られる推定量のリスクの非漸近的誤差限界を導出した。アルゴリズムを反復することで推定量が作られるため、推定量の構築には一定の時間を要するものの、最終的に得られる推定量は従来の有効な推定量よりも良い場合があることを、様々な実データへの適用を通して確認できた。 サブテーマ「理論的拡張と深化」では、局所的ダイバージェンスによって得られるパラメータの推定量についての漸近理論を構築したことが実績となる。局所的ダイバージェンスに基づく方法は、局所的でない大域的な従来方法と比較して、漸近的に大域的リスクを改善することが経験的、数値的に知られていた。しかしながらその理論的結果の導出のためには、パラメータの推定量の漸近的一致性の導出が必要であった。局所的ダイバージェンスから導かれるある関数のクラスを構築し、それがボレル・カンテリクラスになることを証明することで一致性が証明された。