ナカムラ ノブヒロ
NAKAMURA NOBUHIRO
中村 暢宏 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 教授 |
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研究期間 | 1996~1998 |
研究課題 | 前駆体蛋白質のミトコンドリアへの標的化機構の研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 国際学術研究 |
研究機関 | 九州大学 |
科研費研究課題番号 | 08044212 |
研究者・共同研究者 | 三原 勝芳,WATERNAB Mic,SCHATZ Gottf,小宮 徹,中村 暢宏,阪口 雅郎,WATERMAN Mic,MICHAEL R Wa,GOTTFRIED Sc,SUZUKI Carol,HORST Martin |
概要 | 本研究は酵母ミトコンドリアの生合成で先駆的な研究を行っているバーゼル大学のSchatz教授との共同で前駆体蛋白質のミトコンドリア標的化の分子機構を明らかにすることを目的として開始された。そして当該研究期間に以下の事柄を明らかにすることができた。 【1】 酵母およびラットのミトコンドリアを用いて、前駆体がミトコンドリア外膜に運ばれる過程の解析をおこない、前駆体の輸送経路には細胞質因子MSFに依存した経路とHSP70に依存した経路があることを明らかにした。前駆体はMSFによって外膜上のTOM70-TOM37に運ばれた後TOM20-TOM22を経由して外膜チャネルに運ばれる。HSP70によって運ばれる前駆体はTOM70-TOM37をバイパスし、直接TOM20-TOM22に運ばれる。 【2】 外膜受容体TOM70、TOM20の組み替え体を用いて前駆体との結合を測定し、Tom70への前駆体結合にはMSFが必要であり、TOM20への結合にはHSP70を必要とすること、2つの受容体は共にミトコンドリアシグナルペプチドを認識することなどを明らかにした。 【3】 これらの因子に加え、TOM22およびTIM23の膜間スペース部分とGSTあるいはMBPとの融合蛋白を精製し前駆体との結合、各因子間でのトランスファーの解析を行った結果、外膜の内外に配置された輸送因子が形成する「化学的不対称性」によって前駆体の膜透過が駆動されることなどが明らかになった。 【4】 ラットミトコンドリアの輸送因子、TOM70、TOM40、OM37、Metaxin、TIM17、TIM23およびTIM44のクローニングならびに機能の解析を行った。このうちOM30とmetaxinは哺乳類ミトコンドリアに特有な因子であることが明らかになった。 |