宇野 勝博
   所属   京都産業大学  理学部 数理科学科
   職種   客員教授
研究期間 1997~1998
研究課題 加群の剛性とその応用
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 文部科学省
研究種目名 萌芽的研究
研究機関 大阪大学
代表分担区分 研究代表者
研究者・共同研究者 宇野勝博,奥山哲郎,今野一宏,臼井三平,伊吹山知義
概要 1. 既約加群は、剛性をもつことが知られているため、既約加群の加群圏での位置と剛性をもとに射影加群や群環自身の構造を調べることを試みている。加群圏での位置とは、加群圏のアウスランダ-・ライテン・グラフ上の位置のことである。既約加群は、特定の場合を除いてアウスランダ-・ライテン・グラフの端点に現われると予想されていたが、これには反例があることが確認された。しかしながら、多くの場合、この予想が正しいことも証明された。具体的には、次の事実が示された。 (1) 有限代数群で考えている素数が定義体の標数と一致する場合、予想は正しい。 (2) 対称群、交代群については予想は正しい。 (3) 考えている素数が2で群の2シロ-部分群が可換の場合、予想は正しい。 (4) いくつかの散在型単純群で予想は正しい。 (5) 予想に反例がある場合、その群に哩め込まれている準単純群のいずれかで、やはり予想は成立しない。従って、予想の証明は、その群に埋め込まれている準単純群の場合に帰着される。 (6) 予想には反例がある。現在知られている反例はふたつである。 (1)(2)(3)(4)の証明には、それぞれの群について成立しているかなり深い事実を用いる。また、(6)の反例の発見は、ドイツ、ア-ヘン工科大学ヒス教授の計算機による分解行列の計算に負っている。反例となっている既約加群の次元は875823である。 2...
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/p/09874008