須永 恵美子
   所属   京都産業大学  文化学部
   職種   准教授
研究期間 2010~2012
研究課題 南アジアにおけるイスラームとウルドゥー語出版-パキスタンを中心に-
実施形態 科学研究費補助金
研究委託元等の名称 日本学術振興会
研究種目名 特別研究員奨励費
研究機関 京都大学
研究者・共同研究者 須永 恵美子
概要 本研究の目的は、南アジアにおけるウルドゥー語出版を軸としながら、この地域のイスラームの社会的実態を研究し、ウルドゥー語で表現される南アジアのイスラーム認識を解明することである。本年度は、昨年度から継続してウルドゥー語出版に関する研究を遂行するとともに、ウルドゥー語と宗教書に関するより詳細な研究を行った。具体的には、パキスタンの著名な思想家サイイド・アブルアーラー・マウドゥーディーの宗教書『イスラームの理解』(全6巻)における、議論展開の構造的把握に取り組んだ。これらの成果をイラクのバイトゥル・ヒクマ研究所に対して発表した上で英語論文にまとめ、雑誌『イスラーム地域研究』に投稿した。 海外調査に関しては、パキスタンとイギリスでの調査を行った。パキスタンでは、昨年度から継続して、南アジアにおける出版拠点であるカラーチーやラーホールを訪問し、ウルドゥー語を中心としたパキスタン諸地域言語の資料を収集した。また、ラーホールでは、マウドゥーディーが1941年に創設した宗教政党ジャマーアテ・イスラーミーを訪問し、インタビュー調査などを行った。この際、昨年度までに形成してきたラーホールのガバメント・カレッジ、パンジャーブ大学ウルドゥー語学部などの人脈が活用された。イギリスでは、マウドゥーディーの元側近であり、イスラーム経済研究の第一人者でもあるフルスィード・アフマド教授が創設した研究施設マークフィールド高等教育研究所を訪れ、ウルドゥー語書籍の収集状況や、研究動向を調査した。
PermalinkURL https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-10J02900