ナカムラ ノブヒロ
NAKAMURA NOBUHIRO
中村 暢宏 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 教授 |
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研究期間 | 2002~2002 |
研究課題 | ポリオウイルス感染におけるM細胞の役割の検討 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 特定領域研究 |
研究機関 | 金沢大学 |
科研費研究課題番号 | 14021033 |
研究者・共同研究者 | 大野 博司,大岡 静衣,中村 暢宏,源 利成,小出 康博,高津 宏之 |
概要 | ポリオウイルスの初期感染には腸管上皮のポリオウイルス受容体(PVR)を必要とするが、その細胞内局在やポリオウイルスの感染様式は不明である。PVRにはαとδのスプライスアイソフォームが存在する。上皮細胞株MDCKに2つのPVRアイソフォームを発現させてその局在を調べた結果、PVRαは側底面細胞膜に、PVRδは頂端面および側底面細胞膜の両方に局在することが明かとなった。膜蛋白質の側底面への局在は、一般にその細胞質領域に存在する輸送シグナルによって決められる。最も頻繁に見られる側底面への輸送シグナルはYXXΟ(Yはチロシン、Xは任意のアミノ酸、Οは疎水性アミノ酸)という共通配列を持つチロシンモチーフであり、上皮細胞特異的に発現する輸送因子AP-1B複合体のμ1Bサブユニットに認識されることによって側底面への輸送を担うことが知られている。PVRαの細胞質領域にはYSAVという配列が存在する。PVRαの細胞質領域の欠損変異体およびYSAVの点突然変異体を用いた酵母2-hybrid法および上皮細胞株MDCK、LLC-PK1への遺伝子導入により、YSAV配列はμ1Bと直接結合してPVRαの側底面への輸送を担う、チロシンモチーフとして機能することが示された。現在、リンパ球と共培養することにより、抗原取込みに重要な役割を果たす特殊に分化した腸管上皮、M細胞様に分化するマウス腸管上皮細胞株m-ICc12のPVRαあるいはPVRδ安定発現株を樹立中であり、これらを用いてポリオウイルス初期感染における、M細胞を含めた腸管上皮細胞の役割を検討する。 |