ウシオダ リョウ
USHIODA RYO
潮田 亮 所属 京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科 職種 准教授 |
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研究期間 | 2010~2012 |
研究課題 | 還元酵素を必要とする小胞体関連分解の解明 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 特別研究員奨励費 |
研究機関 | 京都産業大学 |
科研費研究課題番号 | 10J07966 |
研究者・共同研究者 | 潮田 亮 |
概要 | 我々は正常タンパク質と異常タンパク質を各々が持つ糖鎖構造の差異で区別するレクチンタンパク質EDEMをクローニングし(N.Hosokawa et al.EMBO Reports,2001)、ERADにおける異常タンパク質識別メカニズムの解明に大きく寄与した(Y.Oda et al. Science, 2003)。しかし、異常タンパク質の識別からサイトゾルへの逆行輸送メカニズムに関しては不明な点が多いのが現状であった。我々はEDEMと相互作用するタンパク質を検索することで、EDEMによる異常タンパク質の認識および認識以降のメカニズムを解明することを目的とした。ER MYTHS(ER Membrane Yeast Two-Hybrid System)という新規Yeast Two-Hybrid法を採用し、EDEMとERdj5との結合を見出した。ERdj5はJドメインと4つのチオレドキシン様ドメインを有しており、ERdjファミリーとチオレドキシンファミリーに属している。我々はリコンビナントERdj5の精製に成功し、in vitroにおける酸化還元活性を測定した結果、ERdj5は小胞体タンパク質では初めて還元活性に特化した還元酵素であるということがわかった。さらに哺乳類細胞を用いた実験で、ERdj5はEDEMが認識した分解基質のジスルフィド結合を還元活性で解離し、分解を促進することを見出した。酸化的小胞体環境で基質の立体構造を解くというプロセスは非常に興味深く、世界的にも大きなインパクトを与えた(R.Ushioda et al.Science 2008)。また、我々は九州大学の稲葉謙次准教授との共同研究でERdj5の結晶構造を解くことに成功し、ERdj5分子内の詳細なドメイン解析にも成功している(M.Hagiwara et al.Mol.Cell 2011)。 |