崔 ワイカン 所属 京都産業大学 経済学部 経済学科 職種 助教 |
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研究期間 | 2021/04/01~2024/03/31 |
研究課題 | 日本企業の保守的負債政策と財務的柔軟性についての研究 |
実施形態 | 科学研究費補助金 |
研究委託元等の名称 | 日本学術振興会 |
研究種目名 | 若手研究 |
研究機関 | 名古屋経済大学 |
研究者・共同研究者 | 崔 ワイカン |
概要 | 本研究では、日本企業が保守的負債政策をとる原因と財務的柔軟性の有用性について究明することを目的とする。初歩的な分析では、日本企業は2008年の世界金融危機前に成長機会の多い企業は保守的負債政策をとるが、その後の数年間において保守的負債政策をとるのは成長機会の少ない企業と変わったことが分かった。この分析結果は日本企業の行動傾向を示しているが、その変化に至るまでのメカニズムを開示していない。そのため、より具体的な分析が必要と考える。企業が不況に陥る時など業績悪化が見られる場合、(財務的柔軟性を蓄える行為とも考えられる)費用削減のためによく用いられる手段の一つは人員削減、または従業員の福利厚生に関する費用削減である。さらに、従業員の満足度は場合によって企業価値に影響を与えることもある(Edmans, 2011)。したがって、企業の不況時における財務的柔軟性の決定要因を究明するために、まずは従業員待遇と企業の負債政策との関係について分析を展開する。 2021年度は初歩的な分析結果を踏まえ、文献サーベイとデータベースの構築を行った。既存文献から、Bae et al. (2011)を主要な参考論文として選び、モデル構築を進めた。他に、Edmans (2011)、Jensen (1986)、Chemmanur et al. (2013)、Ber et al. (2010)も参考となることが分かった。既存文献では、企業の負債政策(主にレバレッジを使用する)と従業員待遇との間にある相関関係について異なる意見が存在する。企業の高い負債水準が不十分な従業員待遇の原因となることを提唱する論文が存在する一方、良い従業員待遇が低い負債水準をもたらすと提唱する論文も存在する。さらに、従業員待遇と負債比率との間に正の相関があると提唱する論文も見られる。 |
PermalinkURL | https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-21K13323 |